学生の頃は、嫌々ながら勉強をしていたが、これで社会人になったので、さあ、もう勉強とは無縁だと喜んでいたのもつかの間、会社から資格を取るように言われ、資格試験を受けることになんていうことを経験された方もいるかと思います。
仕事での基礎知識などは最低身につけなければいけませんが、それさえ身につけてしまえばと頑張り、ようやく仕事にも慣れてきたころに、資格試験を受けてくださいなどと言われると、焦ってしまったりします。
例えば、金融業界に就職したのであれば、ファイナンシャルプラナーの資格を取ってくださいと言われても仕方ないところでしょう。
最近では、国際部とか輸出入関連部署といった日頃から英語を使う部署以外でも、TOEICの試験を受けるように言われ、目標点数などを設定されたりもします。
資格試験の対策はどうするのか
かといっても、記憶力も学生のころに比べると落ちているし、それに加えて働きながらの勉強になるので、学生時代のように1日勉強時間にあてるなんていうこともできない。どうすればいいのだろうか。
満点を取るのではなく、合格点を取るという考えかた
不幸にも、TOEIC試験を受けて英語力をアップさせなさいというミッションは、大変です。
点数が高ければ高いほど良いわけですから、なるべく高い点が求められるでしょう。
試験には2種類ある
1つ目は、TOEICに代表される試験で、できるだけ高い点数を取る試験です。
こういった試験はめずらしく、入学試験、国家試験をはじめほとんどの資格試験は、この形式ではなく、2つ目の一定の点数、つまり合格点を取ればいい試験です。
例えば、合格ラインが60点であれば、何も100点を取る必要はないのです。
80点もいりません。60点で合格しようが、100点で合格しようが、合格は合格です。
当たり前のことのようですが、学生のころから比べると力技での記憶力が落ち、試験勉強時間という資源も限られている中、目標とする試験に合格するにはとても大切な考え方です。
もちろん理想は、100点を目指してが理想なのでしょうが、時間がなければ、60点が合格ラインであれば、70~80点を目指せばいいのです。
100%を目指すのは至難の業ですが、70%であればかなりハードルが下がると思います。
ABC分析ではありませんが、40%を70%にするより、70%を100%にするほうが、はるかに大変だからです。
極端な言い方をすれば、過去問で試験傾向をつかみ、良く試験にでる分野、まあまあ試験に出る分野、あまり試験にでない分野に分けたとすると、良く試験に出る分野を完璧にすれば50点取れ、まあまあ試験に出る分野を勉強すれば80点取れ、あまり試験にでない分野も完璧にすれば100点が取れるということになります。
もちろん、時間的に余裕があって、その分野を極めたいということであれば、70%を100%にするということは立派なことです。
しかし、資格試験の勉強時間がない中、試験に合格すればいいという視点から考えれば、60点とればいい資格試験で、70%の実力があるのに100%を目指すのは、効率が悪いと言えるでしょう。
資格試験勉強はまず過去問から
資格試験に限ったことではありませんが、まずは試験という敵を知ることです。
そのためには、ある程度学習が終わったら、過去問もしくは、模擬試験問題を解いてみることです。
そうすることで、今の自分はどの程度の実力があるのかということがわかるだけでなく、その資格試験の出題傾向をつかむことができます。
そして、問題のクセというものもみつけることができるかもしれません。
その資格試験は、記述式なのかマークシート式なのかによっても、勉強の方法が変わってくるでしょうし、問題の傾向がわかれば、どの分野に力をいれて勉強すればよいかということもおのずとわかってきます。
試験がマークシート式なのに、記述式対策の勉強していても、無駄とはいいませんが時間効率を考えたら、試験に合格するという目的だけから言えば賢い方法とは言えません。
また、過去に試験に出たことのないところで、これからも試験に出そうもないところを一生懸命覚えても、貴重な時間の浪費になってしまいます。
限られた時間で合格を目指すなら、余計なことはやらないということを徹底します。
そして、その代わり過去問などで試験に出たり、模擬試験などにでてくるようなところは、試験までには、3回は復習するようにします。こうすることで覚えたことが忘れずらくなります。
TOEICなどの高得点を目指す試験はどう考えるか
TOEICなどの試験は、60点とれば合格というものではありません。
高得点を取れば取るほと良い試験です。
このような試験で、短期間に点数を伸ばしたいと考えるならば、過去問から問題の傾向をつかみ、自分が短期間で実力が伸ばせそうな分野・範囲・パターンの問題を重点的にやると良いでしょう。
例えば、TOEICであれば、その人の英語力や得意分野にもよると思いますが、Part3、Part4、Part7よりも、Part5やPart6が比較的短期間に点数アップしやすいと言われています。
問題で言うと、次の4つに分けられると思います。
- 簡単にできる問題
- 解説を読めばすぐに納得できる問題
- 解説を読めば時間はかかるが理解できる問題
- ちょっと相当手ごわい問題
そして、この中で点数が伸びやすいものから順に言うと、2 → 3 → 4 → 1 になります。
すでにできてる問題をいくらやってもできているわけですから点数アップにつながりませんし、手ごわい問題を一生懸命頑張るよりも、すぐにできるようになるものから手をつけたほうが良いということになります。