遠くを眺めるだけでも記憶力が高まる | 賢脳トピックス

遠くを眺めていると視力が良くなるという話は聞いたことがあるけど、遠くを眺めるだけでも記憶力が高まるとはどういうことなのでしょうか。

角回と呼ばれている部位

人間は生物の中でも最も知能が発達していて、それは物事を考えたり、感じたり、言葉を話したり、記憶したりという働きを担っている大脳が発達しているからです。

人間の大脳皮質にはシワがあり、このシワが多いと頭が良いというようなことを言われています。しかしこれには科学的根拠はありません。脳のシワと知能との間に関連性はないということがわかっています。

そして大脳皮質は、「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」に分類されます。
その中で、頭頂葉の外側面には、『角回』と呼ばれている部分があり、この部分が言葉を聞いたり、読んだり、書いたりするときに大切な役割を果たしているのです。いわば言語理解をして、連想記憶をする部分、それが『角回』なのです。

角回の働きとは

人間は、他の霊長類に比べて、『角回』が大きくなっています。こうしたことから、他の霊長類と比べても、言語を理解したり、連想記憶をしたりすることに長けていると言えます。

音声は、聴覚連合野に入り角回を刺激します。そして書かれた文字は視覚野に入り角回を刺激します。そして角回で言葉が理解され、それがブローカー中枢と連動し、言葉が生み出されるのです。

角回は大きく次の2つの役割を果たしていると言われています。

  • 目で見たものを音に変える
  • 視覚や体の動きに深く関わる

角回には、言語理解だけでなく、空間を認識する役わいもあって、言葉を理解することと、目の前に広がる空間を把握する両方の役割があります。

角回を刺激して脳を活性化

人間が他の生物よりも物事を深く考えて高度な文明を築けたのは、言語を操ることができたからであり、まさに角回のおかげといっても過言ではありません。
この角回を刺激することができれば、よりお高度な活動ができるようになるのです。

角回を刺激して脳を活性化するには、どうすれば良いかというと、「角回は、視覚や体の動きに深く関わる」というところがヒントになります。
目の前に広がる空間を目のあたりにすることが角回を刺激することにつながります。

そのためには、散歩などをして、視野が開けた広い場所をみつけて、いろいろと遠くの景色を眺めてみると良いのです。
大地の雄大さが人間の思考力に良い影響を与えることを、人間の体は本能的に知っているのかもしれません。

いろいろ考えても答えが出てこない問題にぶつかったとき、たまには気分転換で開けた景色を見て、角回を刺激してみてはいかがでしょうか。
もしかしたら、その解決の糸口がみつかるかもしれません。

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