すべり止め受験の効用を考えた確率のいたずら | 薬剤師トピックス

受験をするときに、本命校は受験すると思いますが、いくつかすべり止めに他のところも受ける人も多いと思います。

受験料も馬鹿にならないということもありますが、もしどこかにでもいいから合格したいというのであれば、複数のところをすべり止めに受けることが有用になってきます。

では、どのくらい有用であるかということを、単純に確率の問題としてとらえるとどうなるのでしょうか。

事例ですべり止め受験を考えてみる

例えば、模試を受けて大本命の学校Aの合格率が10%と出たとします。

そして、学校B、学校C、学校D、学校Eの合格率がそれぞれ20%、30%、40%、50%と出てきたとします。

本当にこのとおりの確率で事象が起こると仮定した場合、大本命の学校Aに合格する確率は10%ということになるので、本命校しか受験しなければ、90%の確率でどこにも合格できないということになります。

一見、低そうにみえる合格率

それでは、一番確率が高い学校Eを受験したとすると、合格率が50%なので、それでも2回に1回の割合で不合格になってしまいます。

こうしてみると、一番合格率が高いところを受けたとしてお、50%しか合格できないということになりますが、これを確率的に考えていきます。

まずは、本命校しか受験しなければ、合格率が10%ということですが、それでは第二志望の学校Bも受験したとします。

すると学校Aか学校Bに合格すればいいことになりますが、その確率を求めていきます。

学校Aか学校Bのいずれか1つ以上に合格する確率ということは、裏を返せば学校Aも学校Bも不合格とならなかった確率と言えます。

学校Aの不合格率が90%、学校Bの不合格率が80%ですので、学校Aも学校Bも不合格になってしまう確率は、0.9×0.8=0.72となり、72%になります。

ということは、学校Aか学校Bのいずれか1つ以上に合格する確率は、100%-72%=28%となります。

つまり、いずれかの学校に合格する確率は、第二志望校もすべり止めで受けた場合、10%から28%へ跳ね上がるのです。

すべり止めを複数受けると合格率がどんどんアップ

さらに第三志望校である学校Cも受けたとすると、いずれかに合格する確率は約50%になります。

そして、第四志望校である学校Dも受けると70%、第五志望校である学校Eも受けると85%の確率でいずれかの学校に合格することができることになります。

単純に確率だけで考えると、第五志望校でも50%の合格率しかなかったものが、複数受験で85%にもなるということになります。

ちなみに、受験する学校の合格率がすべて50%だとすれば、1校しか受けなければ50%ですが、5校受けると、どこかの1校以上に合格できる確率は、なんと約97%にもなるのです。

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