「初めて自分で自分を褒めたいと思います」
これは、1996年アトランタオリンピックで、みごと3位でゴールし銅メダルを勝ち取った女子マラソン選手、有森裕子さんの言葉です。
有森裕子さんは、前回の1992年のバロセロナオリンピックでは、銀メダルを取っていて、1996年のアトランタオリンピックでは、金メダルを目指してトレーニングをした結果、2大会連続のメダル獲得という快挙になりました。
結果ではなくプロセスが大事
前回の銀メダルには及ばなかったけれども、「終わってから、なんでもっと頑張れなかったのかと思うレースはしたくなかったし、今回はそう思っていないし......」語と語り、「初めて自分で自分を褒めたいと思います」という言葉で結びました。
当時は、多くの日本人を感動させ、1996年の流行語大賞にもなった言葉です。
他人が褒めてくれなくても、自分で褒めてあげることで、少しは心がラクになるのではということで、「自分へご褒美」も流行り始めました。
自分で自分を褒めるとき、重要なのはプロセスということです。
有森裕子さんの言葉からもわかるように、頑張って42.195kmを走った結果、銅メダルをとれたから自分を褒めたいと言ったのではなく、悔いなく練習をやり切り、自分を出し切り、本番でも悔いのない走りができたからこそ、自然と口をついて出てきた言葉であり、それが故に人々を感動させたのでしょう。
自分よりも早い選手がいるという事実はどうにもできないけれど、今の自分のベストを尽くすこと、それが自分一人でできること、それができたかどうかということになるのです。
やる気とはやる気の勘違い
誰でも、憧れの姿を思い浮かべ、自分もああなりたいと思ったりしますが、「やる気」はあるんだけど・・・となってしまいます。
しかし、これは「やる気」と思っているのは、「やる気」ではなく「はやる気」だけがあるという場合が多いのだそうです。
「やる気」というよりも、焦りに似た「はやる気」はあるものの、それが具体的な意欲と結びつかず、自分を急き立てる感情的な焦燥感のみがあるというような状態です、
はやる気をやる気に変える
「はやる気」を「やる気」に変えるには、「〇〇のために頑張る」というように考えていることです。
昇進するために頑張る、彼女のために頑張るといったように、具体的に視覚的にイメージできる目標を当てはめるのです。
例えば、買いたいゲームがあるから頑張るでもいいのです。
こうした内発的なモチベーションは、やる気をしっかり維持するのにとても重要なことです。
そして、それに向かって頑張ったプロセスが大切であり、それは他のことにもつながります。
頑張った自分を褒めてあげましょう。