世の中には、何気なく使っている言葉でも、その違いが正確にわかっていなかったりするものが意外と多いものです。
懐石料理と会席料理
懐石料理も会席料理も、読み方は同じ「かいせきりょうり」になりますが、一見するとどちらも高級な料亭で出される料理というようなイメージを持つと思います。
『懐石料理』は、元々は禅宗の修行僧が温めた石を懐にしのばせておくことで、胃を温め空腹をしのいだということが由来になっていて、高級料亭で出される料理からは想像もつかない、空腹をしのぐための質素な食事が懐石料理でした。
懐石という言葉そのものが料理という意味を含んでいるそうです。
それでは『会席料理』はどうかというと、室町時代では貴族が客人にふるまう豪華な食事を会席料理と言っていたそうで、今では宴会の席で食べるような料理、茶会などで出されたコース料理が簡素化されたものというようになっています。
どう違うの? 天気予報のこの表現
天気予報といえば、毎日ニュースなどで見聞きするものですが、天気予報の雨の予報も誤解を招きやすいのです。
天気予報でよく聞く「一時雨」と「時々雨」はどう違うのでしょうか。
気象庁によると、「一時雨」というと、1日24時間で、6時間未満の連続的な飴が降る可能性がある場合に使われ、「時々雨」は、24時間の中で12時間未満の断続的な雨が降る可能性がある場合に使われるそうです。
連続的な雨とは、雨と雨の切れ間が1時間未満のことで、断続的な雨とは、雨と雨の切れ間が1時間以上の場合を指します。
なんかわかりにくいので、ざっくりイメージでいうと、「一時雨」と予報があった場合には、短い時間に集中した雨が降る感じで、「時々雨」という予報があった場合は、ほぼ一日中、パラパラと雨が降っている感じになります。
五月晴れはさわやかな晴天ではなかった
七月、八月は夏真っ盛りで暑く、その前の六月から七月にかけては梅雨の時期になりますが、五月はなんとなく爽やかな晴天が続いているイメージがあります。
したがって『五月晴れ』というと、爽やかな晴天というイメージがありますが、この「さつき」という言葉に騙されてはいけません。
「さつき」は、旧暦の五月のことを指していて、現代の暦にすると六月、つまり鬱陶しい梅雨真っ只中の時期にあたり、雨がザーザー降る時期です。
そんな雨の合間にある晴れた日のことを「五月晴れ」というのが本当です。
ちなみに、「五月晴れ」と書いて「さつきばれ」と読まずに「ごがつばれ」と嫁ば、「さつき」ではなく「ごがつ」なので、新暦の五月にある晴れの日を指すようです。
同じ字で書くと「五月晴れ」なのに、読み方によって意味が違ってくるというのはなんともややっこしいものです。