KYな人、つまり空気が読めない人は、どこの学校や職場にもいたりします。
どちらかというと、わが道を行くタイプなので、空気を読むこと自体を重視していません。
また相手のことをよく知らないためにやりとりがうまく行かないといったケースもあります。

コミュニケーション能力とアスペルガー障害

最近、アスペルガー障害という言葉がよく使われたりします。

アスペルガー障害は、言葉や学習能力には問題がないのに、周囲とのコミュニケーションがうまく取れない状態で、コミュニケーションの力や社会性に問題がる状態と言います。

オーストリアの小児科医であるアスペルガーがその症例を最初に報告したことから、彼の名前をとってアスペルガー障害と言われるようになりました。

イチローやゴッホもアスペルガー障害ではないかと言われていますが、アスペルガー障害の人はひとつのことに没頭するため、空気を読むことをあまり重視しないので、かえって特定の分野で大きな成果をあげて成功をおさめたりすることがあります。

まあ、人付き合いが多少淡泊ではある印象は受けるものの、自分の得意なジャンルには強いこだわりと高い質のパフォーマンスをすることができるのです。

野球ではイチロー選手や落合選手、サッカーでは中村俊輔選手となかなかの天才肌の人がその孤高さゆえに、アスペルガー障害ではないかと言われたりしています。

アスペルガー障害だと思っても、そんなに落ち込むことはありません。多少人付き合いが淡泊で、ちょっと空気を読むことが苦手というものであり、逆にあることに強いこだわりをもって極められる能力が高いと考えればいいのかもしれません。

また、空気を読んだり、気配りをしたりなんて能力は、別にアスペルガー障害でなくても個人差がありますし、相手との相性なども結構関係してきます。あまり気にしなくて良いですが、どうしても本人が気になるというのであれば、受診をするということも選択肢の一つかもしれません。

ええ、この人がアスペルガー障害?

いろいろと調べてみると、ええ、まさかこの人がアスペルガー障害?と思うような人が出てきたりします。

経済評論家として幅広く活躍していて本も出版している勝間和代さんは、自らアスペルガー症候群であることを告白しています。
忘れ物が多く、じっとしていることが苦手で、多動性というアスペルガー症候群の特徴的症状があるといいます。
移動はなるべく自由に動ける電車を利用するなど、工夫をしているそうです。自分のことを理解し、それに合わせた生活スタイルをしていくということも大切なのでしょう。

アスペルガー症候群の3つの主な症状

アスペルガー症候群には大きく分けて「コミュニケーション障害」、「対人関係障害」、「限定された物事へのこだわり・興味」の3つの症状があるとされています。

コミュニケーション障害

いわゆる空気を読んだり、会話の裏側や行間をなかなか読めません。つまり、はっきりと言われないと相手の気持ちを理解できなかったり、比喩的表現をされたりすると、それをそのままに受け取ってしまったりして勘違いしたり傷ついてしまったりすることがあります。
しかし表面上は問題なく会話できていますので、一見、アスペルガー障害でない人とそれほど変わりはありません。

対人関係障害

とにかく場の空気を読むことが苦手で、相手の気持ちを理解したり寄り添ったりすること非常に苦手で、そのため、社会的なルールやその場の雰囲気を平気で無視したりぶち壊すような言動をしたりすることがあるため、対人関係を上手に築くことが難しくなります。

限定された物事へのこだわり・興味

いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中し、また法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せたりします。さらにその法則や規則が崩れることを極端に嫌う傾向があります。

アスペルガー症候群の診断

アメリカ精神医学会の『DSM-5』や世界保健機関(WHO)の『ICD-10』による診断基準が用いられます、

<参考>
『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版
『ICD-10』『国際疾病分類』第10版

ICD-10におけるアスペルガー症候群の診断基準は次のようになっています。

A.表出性・受容性言語や認知能力の発達において、臨床的に明らかな全般的遅延はないこと。
診断にあたっては、2歳までに単語の使用ができており、また3歳までに意思の伝達のための二語文(フレーズ)を使えていることが必要である。
身辺処理や適応行動および周囲に向ける好奇心は、生後3年間は正常な知的発達に見合うレベルでなければならない。しかし、運動面での発達は多少遅延することがあり、運動の不器用さはよくある(ただし、診断に必須ではない)。
突出した特殊技能が、しばしば異常な没頭にともなってみられるが、診断に必須ではない。

B.社会的相互関係における質的異常があること(自閉症と同様の診断基準)。
(a) 視線・表情・姿勢・身振りなどを、社会的相互関係を調整するための手段として適切に使用できない。
(b) (機会は豊富にあっても精神年齢に相応した)友人関係を、興味・活動・情緒を相互に分かち合いながら十分に発展させることができない。
(c) 社会的・情緒的な相互関係が欠除して、他人の情動に対する反応が障害されたり歪んだりする。または、行動を社会的状況に見合ったものとして調整できない。あるいは社会的、情緒的、意志伝達的な行動の統合が弱い。
(d) 喜び、興味、達成感を他人と分かち合おうとすることがない。(つまり、自分が関心をもっている物を、他の人に見せたり、持ってきたり、指し示すことがない)

C.度はずれに限定された興味、もしくは、限定的・反復的・常同的な行動・関心・活動性のパターン(自閉症と同様の診断基準。しかし、奇妙な運動、および遊具の一部分や本質的でない要素へのこだわりをともなうことは稀である)。
次に上げる領域のうち少なくとも1項が存在すること。
(a) 単一あるいは複数の、常同的で限定された興味のパターンにとらわれており、かつその内容や対象が異常であること。または、単一あるいは複数の興味が、その内容や対象は正常であっても、その強さや限定された性質の点で異常であること。
(b) 特定の無意味な手順や儀式的行為に対する明らかに強迫的な執着。
(c) 手や指を羽ばたかせたり絡ませたり、または身体全体を使って複雑な動作をするなどといった、常同的・反復的な奇異な行動。
(d) 遊具の一部や機能とは関わりのない要素(たとえば、それらが出す匂い・感触・雑音・振動)へのこだわり。

D.障害は、広汎性発達障害の他の亜型、単純型分裂病、分裂病型障害、強迫性障害、強迫性人格障害、小児期の反応性・脱抑制性愛着障害などによるものではない。

ICD-10におけるアスペルガー症候群の診断基準