ネアンデルタール人の脳は、現代人よりも大きい | 薬剤師トピックス

ネアンデルタール人は、約40万年前に出現し、2万数千年前に絶滅したとみられるヒト属の一種で、ヨーロッパから西アジアにかけて分布した更新世中期から後期の旧人類とされています。
歴史の教科書なんかにも載っている有名な類人猿です。

脳の大きさと知能の関係

1836年にドイツの解剖学者が

「脳の絶対的な大きさと知能や心の機能との間には、間違いなく相関関係がある」

としたことから、注目を浴び、以後意見は相関関係がある・なしで大きく分かれてきましたが、MRIなどの脳の画像技術の進歩によって、脳の大きさが知能に及ぼしている役割はごく限られたものとなっていて、むしろその構造が重要だというようになっています。

オーストリアの研究チームは、8,000人を調査し脳の体積とIQとの関係を調べた結果、性別や年齢にかかわらず脳のサイズとIQには強固な関連が確かにあったが、それはわずかなものでしかないことが判明しています。大きさよりはむしろ、脳の構造と統合性がIQの生物学的な基礎として重要な役割を果たしているという結論になっています。

ただ、海馬が小さいほど記憶テストの成績が悪化することがわかっています。

動物とヒトの脳

ヒトと動物を比較してみると、同じ哺乳類のマウスの脳は、1円玉の1割程度の質量しかありません。
一方、同じ哺乳類でもマッコウクジラになると質量は8kgとなり、すごく巨大な大きさとなります。

ヒトの脳は、マッコウクジラと比べると大した大きさではありませんが、高度な文明社会を築き上げてきました。

なぜヒトは文明を発達させることができたのか

脳の大きさではクジラにははるかに及ばない人間ですが、体の大きさに占める脳の割合がずばぬけて大きいのです。
ヒトの脳は、哺乳類としてみてみると体の大きさからして200gが妥当なのですが、実際には約1400gと7倍もあります。
ちなみに頭が良いとされているイルカは、やはり本来持っているべき脳の大きさと比べて5倍の大きさの脳を持っています。

では、なぜヒトの脳はこんなに大きくなったのかというと、二足歩行をするようになったことで、脳が大きくなるスペースができたのです。

現代人よりもすごかったネアンデルタール人

類人猿のネアンデルタール人の脳は、約1500gで現代人のそれより大きかったことがわかっています。

ネアンデルタール人は、脳の大きさが約1500gという現代人を超える脳の大きさを持つ類人猿ですが、脳が大きすぎるゆえに出産時に産道を通ることが困難で絶滅したという説があるのですが、現代人と比べて知能がどうだったかということはわかりません。

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