三角関数は、公式が多く苦手という人も多いと思います。
加法定理、積和公式、和席公式、合成公式、2倍角の公式、3倍角の公式など、sin cos tan に紛らわしい符号が微妙に違っていて、覚えるのも一苦労ですが、受験生はたまったものではありません。
名前を裏切る三角関数
三角関数というと、三角形の角度を求めるためのものというイメージがあります。
しかし実用目的という点からいくと、三角関数は三角形の角度を求めるためのものというよりも、波を表す関数としての役割が多くなっていて、電波などの波動は、この三角関数で表されることになります。
高校の数学の教科書を開いて三角関数のページを開いてみると、三角形の角度を求めるような問題ででてきていて、sinθのθは、直角三角形の直角以外の角であり、三角形の3つの角の和は180°であることから、θは0~90°になります。
しかし学習を進めていくと、いつのまにか sin135°であるとか、cos(-45°)なんていう表記が目に飛び込んできて、三角形ではなくなっています。
これは本来、三角関数が波の関数であって、でも三角関数を説明するとっかかりとして三角形の角度がわかりやすいことからこうなっているのです。
三角関数を考えるときに重要なラジアン
三角関数を語る時に、はずれないのが「ラジアン」です。
三角形などの角度となると、0~360°になり、これは度数法による角度の単位ですが、三角関数では弧度法がよく使われ、ライアンという単位が用いられるので、ここはしっかりと理解しおさえておく必要があります。
1ラジアン(1弧度)とは、半径rの円において、半径rい等しい長さの弧ABに対する中心角の大きさを言います。
つまり、1ラジアン=180°/πで表すことができることになり、1ラジアン=57°17’45”になります。
別の書き方をすると、1°=π/180ラジアンということになります。
三角関数を実用面で考えると外せないフーリエ級数
フーリエ級数(Fourier series)は、複雑な周期関数や周期信号を単純な形の周期性をもつ関数の無限和(級数)によって表したものです。
フーリエ級数においては複雑な公式があり、また非常に難解な分野なので高校数学の範囲外にもなっているので、高校数学の教科書や参考書、公式集などをみても、載ってないことが多かったりします。
高校数学でも習わないことを、大学で数学を専攻したり、理工系の学部にでもいっていない人が知る必要もないと言われてしまえばそれまでなのんですが、もちろんそんな複雑な公式を使って、計算する必要もなく、今の時代は特に、複雑な計算などはそれこそコンピューターにまかせておけばいいのです。
しかし、三角関数を実用面で理解したいというのであれば、このフーリエ級数ははずせないのですが、三角関数は波を表すためのもので、その任意の波というのは、sin 、cos の和で表されるものであり、複雑な周期の関数などを単純な形の周期性をもつ関数にするのがフーリエ級数ということを理解しておけばよいでしょう。
一言で言えば、すべての波は、sinとcosで表すことができますよということであり、sin と cos の波形は正弦波という一番きれいな形の波といえます。
しかし、実際には波はそんな綺麗な形の波にはなっておらず、一般的には教科書に出てくるような正弦波のようなきれいな波はありません。
そうした波もすべて、どんな複雑な形をしていようが、フーリエ級数によって、周波数の異なる複数の正弦波を重ね合わせることで、表現できるのです。