デイサービスの日はいつでしたっけ?ときかれ、明後日ですよと答えます。
すると、5分もしないうちにまた、デイサービスの日はいつですか?と聞かれ、明後日ですよ、さっき言ったばかりじゃないですかと答えます。
さらに5分すると、またデイサービスの日はいつですか?と聞かれ、何度言ったらわかるんですか? もういい加減にしてください。同じことを何度も言わせないでください。なんてつい言ってしまったりします。
忘れてしまうものは仕方ない
そんなことが繰り返されるうちに、もう面倒くさくなって、怒ってしまうよりましと、質問されても無視をしていると、なぜ質問に答えてくれないのだろう、私は何か悪いことでもしたのかしら?となおされ不安になってしまうものです。
アルツハイマー型認知症では、脳の海馬が萎縮してきてしまうため、脳に入ってきた情報を一時的に保持して、必要な情報を取捨選択することが難しくなり、短期記憶が苦手になってしまいます。
そのため5分前に聞いたことも忘れてしまうといった物忘れが増えてきたり、物覚えが悪くなってしまいます。
そして、本人は同じことを繰り返し言ったり聞いたりを繰り返すようになり、常に不安な気持ちを持つようになり、それゆえになおされ周りの人に確認せずにはいられなうなるのです。
何度も言ったり聞いたりするのは、むしろちゃんと覚えていたい、周囲に迷惑をかけたくないという気持ちからきていることを理解してあげなければなりません。
同じことを何回も聞かれたらどう答えると良いのか
もういい加減にして、何度言わせれば気が済むの!なんて感情的に怒ってしまってはいけませんし、もちろん無視するなんてもってのほかです。
説明の言い回しをその都度変えてあげることで、記憶として残る場合がありますし、本人の覚えていたいという気持ちを尊重して、初めて伝えるように説明してあげることが大切です。
また「私が覚えておくから大丈夫ですよ。」と安心感を与えるということも大切になってきます。
本人に安心してもらうことが大切
人間はとかく自分の立場や目線で物事を考えてしまいがちです。
子供に対しては、これから成長していくものですし、また自分が通ってきた道でもあるのである程度は理解できても、認知症の高齢者となると、なかなかその立場や気持ちになって理解するというのは難しいのかもしれません。
本人が何を考え、何を求めているのかを想像し、本人に安心してもらえるようにすることが大切になってくるのです。
そして、完全にわからないまでも、どうすれば安心してもらえるかを考えることによって、心理状態が落ち着き、それが負担を減らしていくことにもつながるのです。