分析を行うに当たっては、その分析法が的確なのかどうかということが重要になってきます。
例えば、誤差が許容できる範囲をはるかに超えているような分析では、分析する意味がありません。
分析法バリデーション
『分析法バリデーション』とは、医薬品の試験法として行っている分析法が、その目的に合致しているかどうかということになります。
確認試験にしても、純度試験にしても、定量試験にしても、それぞれの目的に応じて分析を行うわけですが、分析法の五さが原因で生じる判定の誤りの確率が許容できる範囲に収まっていることを科学的に立証することが大切になってくるわけですが、それが『分析法バリデーション』になります。
分析法バリデーションの分析能パラメータ
分析法の妥当性を科学的に証明するためには、科学的評価が必要になってきますが、その評価に必要となってくる変数(項目)が、『分析能パラメータ』になります。
『分析能パラメータ』には、真度、精度、特異性、検出限界、定量限界などがあります。
分析能パラメータに関連した用語・定義
『真度』は、『正確さ』とも言え、分析法で得られた測定値の偏りの程度を指し、真の値を測定値の総平均との差で表され、純度試験や定量試験などで必要になってパラメータです。
『精度』は、『精密さ』とか『再現性』と言われることもあり、均質な検体から採取した複数の資料を繰り返し分析して得られる一定の測定値が、互いに一致する程度、つまりばらつきの程度を指し、測定値の分散、標準偏差、相対標準偏差などで示すことができます。
『特異性』とは、『選択性』とも言われ、共存する物質がある中で、その試料中の目的の分析対象物を正確に測定する能力になり、確認試験、純度試験、定量試験いずれにおいても、重要な指標になります。
『検出限界』は、『感度』のことで、試料に含まれる目的の分析対象物の検出が可能な最低の量・濃度を指します。
『定量限界』は、試料に含まれる目的の分析対象物の定量が可能な最低の量・濃度になります。
『頑健性』とは、分析条件を小さい範囲で故意に変化させたとき、測定値が影響を受けにくい能力のこと言い、測定値の安定性を検討するときに重要になってきます。
規格を満たしている合格のものが、分析試験を行うことによって誤って不合格と判断されてしまう確率のことを『生産者危険』、逆に規格外のもので本来不合格となるべきものが、分析試験を行うことによって誤って合格と判断されてしまう確率のことを『消費者危険』と言います。