劣勢なときにどうできるかで、その人の真価が問われたりします。
孫氏の兵法に学ぶ、劣勢の時
孫氏の兵法は、単なる戦争論ではなく、いろいろな争いごとや競争など、具体的に言うと、受験戦争や職場での出世競争、困難の克服などに通じる知恵を授けてくれるものになっています。
戦国最強と言われた軍団を作り上げた武田信玄は、旗印にもつかったぐらいで、風林火山も孫子の兵法から引用したものになっています。
小敵の堅なるは、大敵の擒なり
『小敵の堅(けん)なるは、大敵の擒(とりこ)なり』は、孫子の兵法に出てくる言葉ですが、これでは難しくわかりにくいので現代風に表現してみると、「小さい兵力にもかかわらず、大軍に挑めば、捕虜になるのが落ちである」ということになります。
孫子は、船上において、敵の10倍の兵数であれば、周囲攻城戦をするも可、5倍であれば滴に真っ向勝負で襲いかかる、2倍であれば敵軍を分断し、もし兵数が互角であれば死力を尽くして干戈を交えるとしています。
そして、敵軍よりおも兵数が少なければ、巧みに撤退し、兵数でまったく及ばなければ、敵に見つからないように心がけるとしています。
そして、兵数が少ないのに、頑なに戦いにいけば、捕虜になるのが落ちであるとしています。
数の上で劣勢であるならば、敗北を回避する方策を選択するということで、全く勝算が立たないのであれば、損害を最小限にとどめながら帰還を選択するのが賢い戦術で、敵軍に発見されないようにすることが大切になってくるというものです。
万一、見つかってしまったら、後衛に時間稼ぎをさせて、巧妙かつ速やかに敵の攻撃圏内から出ていくというものです。
このよううなことは、何も戦争における戦略だけにとどまらず、いろいろなことにあてはまります。
登山ちしょうと思ったけど、どうも天気が崩れるとか、時間切れだからまた今度にしようとして下山するという判断もまさに、攻め進むよりも無事に帰りつくことが重要であるという教えになります。
撤退をするときのポイントとしては、時流に従い、プライドを持たず、過去の成功体験などは捨て、力を残しておくが重要です。
敵は分散させるべき
よく言われるのが、兵力が互角である場合、そこが敵地ならば敵に分があります。
しかし、自軍の数と位置が敵軍に知られていなければ、敵は兵を分散させるので、敵の一部隊を撃破できる兵力があれば、そこで勝てることになります。
これは目標達成にも関わってくる考え方で、はじめから大きな目標を立ててしまうと、これはどう考えてもできそうもないとなってしまいますが、範囲をくぎり、一歩一歩習得していく、つまり相手を切り分けて、一つ一つ攻略していけば、途中で諦めずに目標を達成できるということになります。