医療関係者・医薬関係者・医療従事者の違い | 薬剤師トピックス

細かいことは気にしない、気にしない! 医療関係者も医薬関係者も医療従事者も同じようなもんでしょとアバウトな人もいますが、これらは微妙に違っています。

医療従事者に関しては明確にされている

言葉について、その意味を考える場合、何か公式なものでその定義がされているかという点が重要になってきます。

この点では、『医療従事者』については、平成20年に厚生労働省から出されて通知において、その範囲が明確に示されています。

厚生労働省が出している通知なので、確かなものと言えます。

この通知は、医療広告ガイドラインに関連して出された通知で、専門家として医療広告できる有資格者の範囲を定めるという意味合いが強い通知になっています。

通知の内容をみてみると、『医療従事者』の具体的な範囲は、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、歯科技工士、臨床検査技師、衛生検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、言語聴覚士、管理栄養士又は栄養士となっています。

一般の人が医療従事者と言って連想するのは、医師・薬剤師・看護師で、せいぜい臨床検査技師ぐらいだと思いますが、医療従事者というと医療に関与する資格者を幅広く網羅した形になっています。

医療法で定義されている医療関係者

『医療関係者』は、医療法により定義されていて、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手となっています。

医療法は、『医療』について生命の尊重と個人の尊厳の保持をあげていて、その中での医療の担い手として医療関係者が示されています。

そこで『その他の医療の担い手』という幅をもたせた自由度がきく表現になっています。

ちなみに医療法では『調剤を実施する薬局』は、病院や診療所、介護老人保健施設とともに、『医療提供施設』という位置づけになっています。

街中の調剤薬局や、調剤施設を持っているドラッグストアも『医療提供施設』ということになるのです。

医薬関係者にはいろいろと定義がある

範囲の解釈が分かれるのが『医薬関係者』で、いろいろなところでの定義され、若干その範囲が異なっています。

「医療用医薬品プロモーションコード」では、医療用医薬品の公正な取引や適正なパンフレット作成などのルールが示されていますが、そこでは『医薬関係者』について、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療担当者の他、特約店(卸)社員、医学部・薬学部学生等としています。

つまり医療とは異なり、特約店(卸)社員や、まだ医師や薬剤師になっていない医学部・薬学部の学生も医薬関係者という扱いになっています。

一方、『医薬関係者』は、法律では医薬品医療機器法の第一条の五で「医薬関係者の責務」という形で登場します。

そこでは、薬局開設者、病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者、医薬品の販売業者、医療機器の販売業者、賃貸業者若しくは修理業者又は医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、その他の「医薬関係者」という記載があります。

つまり販売業者や賃貸・修理業者、獣医師なども含んでいます。

非常に紛らわしいし、示す範囲はその目的によっても変わってきますが、ざっくり言うと『医療従事者』・『医療関係者』は医療に純粋に関与している人たちで、『医薬関係者』は、学生を含んだり、獣医師や販売業者など幅広く医薬に関与した人を指していることになります。

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