実践でよく利用されるパレート図 | 薬剤師トピックス

統計データをまとめて整理するときに、まずは度数分布表を作り、それをもとにヒストグラムを作成するという流れがあります。

これとは別に、質的データの場合、その項目と度数を並べてグラフを作っていきます。

パレート図とは

量的データの場合は、階級の数値の小さい順に並べていったのですが、質的データの場合は、その項目に数的意味がありません。

そこで『パレート図』が出てきます。

『パレート図』は、製造業の品質管理などに好んで使われ、多くの品質不良の中から優先的に取り組むべき重要なものを選択するときに役に立ちます。

『パレート図』は、データを項目別に集計・分類して多い順に並べ、棒グラフと累積曲線によってあらわした図になります。

パレート図に関連した統計用語

『パレート図(pareto chart)』は、降順に並べられた階級での度数を表した棒グラフと、その累積曲線から成り立っています。

パレート図を作成するには、まずは度数の多い順に項目を並べ変えていきます。

度数が多い順に並べるのですが、例えば100人のモニターアンケートでとある商品の好きな理由のデータをとったとします。

色がいい、使いやすい、長持ちする、香りがいい、かわいいといった項目に、それぞれ何人がチェックしたかになりますが、この場合だと100人にアンケートをしているわけですので、総数は100人なります。

そして使いやすいという項目に50人がチェックしていたら、その度数は、50÷100=0.5というようになります。

この「度数」÷「総数」が、『相対度数(relative frequency)』になります。

そして、相対度数の大きい順から降順に並べ直したとき、その相対度数を多い方から順に足した累計にあたるのが、『累積相対度数(cumulative relative frequency)』になります。

パレート図の実践例とパレートの法則

パレート図は、製造過程における品質管理や、マーケティングに広く利用されます。

なぜ不良品が出たのか、その原因を調べるとき、その原因を重大な順で認識するために用いられたりします。

傷、歪み、色落ちなど、不良品の中でどんな不良が多いのかを視覚的に把握することで、対策の優先順位の参考にします。

パレート図では、その他の扱いは、たとえ相対度数が多くても、通常最後にもってきます。

パレート図は、商品の売り上げ構成の分析をして、マーケティング的にどの商品に注力するのが効率的なのかを判断するABC分析などにも用いられます。

『パレートの法則』は、上位2割で全体の8割を占めるという経験則になり、上位20%の原因を解消すれば、問題の80%が解決するということになります。

「売上の8割は、2割の製品が作っている。」、「仕事の成果の8割は、費やした時間の2割で生み出されている」、「故障の8割は、部品の2割が原因している」といったようなことがよく言われています。

もちろん、この20-80%又は30-70%の法則が全てに当てはまるわけではなく、ケースバイケースなのですが、問題解決の優先順位をつける参考という意味では、パレート図は重要な役割を果たしています。

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