発想の引き出しを増やすには、多くの知識や経験が大切です。
その基盤となる知識や経験がないと、なかなか新たな発想をすることは難しいのです。
発想の引き出しの増やし方
数学の勉強をするとき、要領の良い勉強の仕方として、まずは参考書の例題や、代表的な問題がのった問題集の問題をやってみます。
そして、自力ですぐに解けてしまう問題であれば、もうその問題、それと似たような問題はできるということになります。
しばらく考えても、解法がわからなければ、わからないものを長時間粘ってうなりながら考えるのは時間の無駄ですので、さっさと解法を含めた解答を見てしまいます。
そこで、ああ、あの公式はこういうところでこうやって使うんだとか、あの定義はこういう考え方で問題に応用していくんだという理解をしたうえで、解法を暗記してしまえばいいのです。
これは別に数学に限らず、たとえば将棋でも、まずは駒の並べ方や動かし方をひととおり覚えた後は、定石や手筋を覚えて、それが戦法の中でどういかされていくか、なぜこの手が良い手で、この手が悪い手なのかという解説を読みながら覚えていきます。
こうした知識や経験が新しい発想につながっていくのです。
漠然と解法を暗記して、このパターンの問題がでたら、こういうふうにして解くと憶えれば、試験問題で効率よく高得点は取れるようになると思いますが、ここで特に大切なのが、ただ単に問題集の問題をパターン化して、これと同じような問題がでたら、この覚えた解法と同じパターンで解けばいいんだということではもったいないのです。
解法にあたり、なぜその方法で解いていくのかに至った考え方をしっかり理解することが、引き出しを増やし、多くの応用問題に対処できる力をつけていくのです。
実例で発想の引き出し、考え方を実感する
例えば、次のような問題があるとします。
6、24、60、?、210、336、・・・
こういった問題がある場合、整数の並びで、数が増える傾向があるので、まずは等差数列や等比数列、階差数列などを疑いますが、これがいわゆる解法に至るまでの考え方になります。
でも違うようなので、フィボナッチ数列などを疑ってみますが、これも違うようですといった具合に、自分の中にある引き出しを引っ張り出して、いかに適切そうな引き出しを引っ張ってこれるかを練習することがいいのです。
あれ? 全部偶数だなという着眼点もありです。
それじゃ、2で割ってみよう。
いやいや、もう全部因数分解しちゃえというような感じです。
6=2・3
24=2・2・2・3
60=2・2・3・5
210=2・3・5・7
336=2・2・2・2・3・7
これを眺めていると
6=1・2・3
24=2・3・4
60=3・4・5
210=5・6・7
336=6・7・8
ということに気づければ、?=4・5・6=120
となります。
こんな問題も
9、51、12、33、?、15、75、・・・
これは、数が小さくなったり大きくなったりしています。
こうした場合は、一の位と十の位の合計とか、一の位と十の位を別々に考えてみるとか、数字をひっくり返してみるといった引き出しがあれば、それを試してみればいいのです。
ちなみに数字をひっくり返すと
9、15、21、33、?、51、57、・・・
どうもピントこないけど、数の合計が全て3の倍数だから3で割ってみようということで割ってみると
3、5、7、11、?、17、19、・・・
ううん、等差になってるわけじゃないし、あっ、でもこれ素数だ
ということは、?=13になるので、3倍すると39、さらにそれをひっくりかえせば93なので、答えは93ということになります。