ちょっとした身の回りの服装について、知っていると一目置かれるかもしれないトリビアをご紹介します。
なぜワイシャツの前後の丈は異常に長いのか
スーツを着る人であれば、スーツの制服にワイシャツをというケースが多いと思います。
ワイシャツは袖の長さや、襟首のサイズはちょうどしっくりとしているのに、ワイシャツの丈の前後は無駄に長いと思ったことはないでしょうか?
ワイシャツをズボンの外側に出して切ると、その長さが気になったりするものですが、どうせズボンの中に入れて着るんだし、その時に着崩れしないようにたっぷり長さをとってあるんだろうと思うかもしれませんが、これは間違いのようです。
それでは、なぜワイシャツの前後の丈が長いのかというと、これは機能的にどうのこうのというよりも、ワイシャツが開発された当時の名残なのだそうです。
そもそもワイシャツは欧州で下着として着用されていて、その当時は今のワイシャツよりもさらに丈の前後がもっと長く、股間を覆えるくらいの長さになっていました。
しかし、1930年代に、ブリーフが開発されると、下着としての役目がなくなったワイシャツは、徐々に丈が短くなっていき現在のワイシャツのようになっていったのだそうです。
なぜ女学生の学生服はセーラー服
今は、女学生の制服もブレザーというところや、特に制服は決めていないという所も多くなっていますが、昔は女学生の制服といえばセーラー服で、女子中高生の制服といえばセーラー服でした。
セーラー服は、その名のとおり、セーラーは水兵のことなので、もともとは海軍の制服で、その発祥はイギリスです。
セーラー服は、襟が後ろに異常に長いのは、海軍に由来しているからで、海上においては、風音などで周囲の音が聞き取りづらいことから、長い襟を断たせることで、集音性を上げる効果があったのです。
またセーラー服の胸元部分がV字に大きく開いているのは、万が一、海に落ちたときに服を簡単に脱げるように工夫したもので、スカーフについては、いざというときに手ぬぐいとして使えるというものなのです。
こうしたセーラー服が、海軍の幼年学校の制服にも指定され、実際に子供たちが来たとき、可愛いと評判になり、それから子供にセーラー服を着せるようになり、一般大衆に広まっていったのだそうです。
また男子学生の制服は縦襟で5つボタンの陸軍の軍服がモデルとなっていたので、それなら女学生は陸軍ではなく海軍の制服でという背景もあったようです。
スリッパは日本で生まれた
スリッパというと、ホテルに宿泊したときに靴を脱いだ後に室内で掃くものとして置いてあることから、洋風なイメージがあり、日本では下駄に畳に素足、または足袋というイメージです。
ところがスリッパの発祥の地は、意外にも日本なのです。
スリッパが開発されたのは明治時代のことで、この時代から外国人が多く日本へやってくるようになり、日本にやってきた外国人は日本人と違って、家の中でも土足で歩きまわりました。
こうした外国人に対して考案されたのが、スリッパだったわけで、本来は外履きを履いたままスリッパが使用されていたそうです。