自分に都合よく考える自己奉仕的バイアス | 薬剤師トピックス

人間は、何か物事をしたとき、成功したら自分の腕のおかげ、失敗したら他人のせいだと考える傾向があります。

このように自分に対して都合のようい考えをもつことが『自己奉仕的バイアス』と言われるものになります。

自己奉仕的バイアスの例

成功したら自分のおかげ、失敗したら他人のせいという『自己奉仕的バイアス』が強い人は、平たく言えば、自分に甘く他人に厳しいということになります。

例えば、料理をしていて、うまくできた場合は自分の腕が良かったからだということになり、失敗した場合は、周りがうるさくて集中できなかったからだとかいうように自分以外のせいにします。

料理に成功した場合は成功の要因を内的要因に見出し、逆に失敗した場合は外的な要因に見出すのです。

因果スキーマ

因果スキーマとは、因果関係の知識ですが、次のような事例が該当します。

「公園で遊んでいただけなのに、怒鳴られてしまったけど、いきなり怒鳴るなんてすごく短気な人だな。」

しかし、その人(怒鳴ってきた人)のことをあまり知らず、内面や行動時の状況といった情報は不足して、自分が培ってきた知識や経験といった因果スキーマをもとに原因を考えてしまい、怒鳴ってきた人が短気な人だと結論づけてしまっています。

子供の声が大きかったのかもしれないし、騒いでいた時間帯はどうだったのか、そういった情報を考慮せずに、怒鳴ったから短気な人だと憶測してしまっているのです。

割引原理

割引原理というのは、他人の行動に対してなんらかの利益が発生すると感じたとき、その利益が行動の原因と考えてしまう傾向で、その人の内面の優しさなどを考慮しない傾向なります。

例えば、親切心から仕事を手伝ってもらったのに、おごってもらうのが目的じゃない?と考えてしまうのです。

助けるということで対価を得るという考えが先行してしまい、相手の内面の優しさを考慮せずに推測してしまうのです。

割増原理

割増原理とは、他人の行動に対して、行動した本人が損失が伴うと感じた場合、その人の内面を見ようとする傾向が強くなるというものです。

忙しいのに仕事を手伝ってもらった場合、手伝ってくれた人は、忙しいのに手伝うという不利益な行動をとったのだから、この人は優しい人だと推測するのです。

相手がしてくれたことに対して、相手の利益になると考えた場合は相手の内面をみない傾向、相手の不利益になると考えた場合は相手の内面をみる傾向があるのです。

このように人間は、他人の行動を推測する場合、その人の性格や周囲の状況といった情報が少ないと、自分の経験や知識を使ってその行動の原因を推測しようとします。

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