人が物を盗まないのはなぜなのか? | 薬剤師トピックス

ほとんどの場合、人間は自分の利益を優先します。

資本社会の基本原理からしても、それはこうした人間の習性の上に成り立っているといっても過言ではないでしょう。

しかし、人間は、自分自身の利益を犠牲にしても、モラルや社会的価値を優先することがあります。

人前で鼻くそをほじりますか?

家で一人でいるときは、したいときにオナラをし、鼻くそをほじりといったことをしている人でも、人前に出ると自重します。

オナラはできればがまんしたり、あまり音が出ないように工夫したりするでしょう。

またお笑い芸人でもなければ、よほどのことがないかぎり人前で鼻くそをほじるなんていうことはしないと思います。

これは、人間は社会集団を作る動物だからと言われています。

一人でいるときにできる行為が、人前でできなかったとすれば、それは社会的認知ということになります。

平たく言うと、人の目を気にすることが、社会性の根幹をなしているといってもいいかもしれません。

他人のものを盗まないのはなぜ?

自分の利益優先という考えからすれば、人間は他人のもので平気で盗んでしまうことになります。

「なぜ他人の物を盗んではいけないのでしょうか?」というと、「そんなことはあたりまえのルールであって言うまでもない」という人がほとんどだと思います。

もちろん、当たり前のことです。

しかし、この問いに対して、真剣に答えを出そうとすると、哲学者でさえひどく頭を悩ませるほどの難題なのです。

自分の利益優先である人間が、なぜ他人の物を盗まないのか、あるいは盗んではいけないような気がするのか。

そんなのは道徳的な問題であって考えるまでもないと言ってしまえばそれまでなのですが、自分の利益ということで考えると、矛盾してしまいます。

そしてある結論が出てきます。

他人の物を自由に盗んで良いということにすると、それが巡り巡って、結局は自分の物も盗まれてしまうという可能性が高いということです。

だから、他人の物を盗まないのは、自分のためだということになってきます。

もちろん、窃盗や詐欺をやって捕まると、それなりの刑罰をくらうことになるので、盗まないという判断もあることでしょう。

人はなぜ窃盗や痴漢を通報するのでしょうか

自分の利益、純粋に損得勘定でいくならば、街で窃盗や痴漢を見かけたとしても、見て見ぬフリをすることになります。
ややこしい問題には深入りしたくないでしょう。

しかし、多くの人は、通報したりして、これは悪を捕らえて懲らしめようとするのです。
そのために、労力や時間を浪費してまで、ある意味自己犠牲を払ってまで、悪を捕らえて懲らしめようとします。

人間という動物は、社会集団を作る動物として、こういった自己犠牲的行動をとるようにプログラムされているのでしょう。

最近では、ネットでのデマが拡散し、悪を捕らえて懲らしめてやろうという正義感から、実際には全然関係ない人を批判中傷していたなんていうことも起こっています。

これもある意味、人間の性なのかもしれません。
情報を鵜呑みにして、すぐにSNSなどで拡散するのではなく、正確な情報をきちんと把握することも大切な時代になっているのでしょう。

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