強制的に笑顔をつくるとどうなるのか | 薬剤師トピックス

『笑う門には福来る』

というように、笑いは人生にとって大切なものです。
笑顔を積極的に利用することができれば、それはより良い生活にもつながってくるのです。1979年にノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサが次のようなことを言っています。
We shall never know all the good that a simple smile can do.
(単なる笑顔でも、想像もできないほどの可能性があるのよ)

笑顔の効能については、昔から研究されてきていて、問題解決を用意にしたり、集中力や記憶力を高めたりすることにもつながります。

笑顔を見て悪い気がする人はいない

心からの笑顔を見て、悪い気がする人はまずいません。
もちろんここで言う心からの笑顔は、相手をバカにしたり、軽蔑したりするときにでる薄ら笑いや作り笑い、苦笑いとは違うものです。
多くの人は、笑顔を見るのは心地良いと思うでしょう。

「相手の笑顔」ということを考えるときに、思いつくのが槇原敬之さんの「僕が一番欲しかったもの」という歌です。
いろいろな素敵なものを拾って喜んでいたら、それを自分よりも欲しそうにしている人がいたので、譲ってあげたら、とても素敵な笑顔を返してくれた。

そんなことを繰り返しているうち、結局、何も見つけられなかった。僕の欲しいものは何だったんだろう。
ふと回顧していると、自分が譲ってあげたもので多くの人が幸せそうにとびきりの笑顔をみせてくれていたことを思い出し、そのときの気持ちが自分の探していたものだと気づき、最後に一番素敵なものを拾うことができたという内容の歌詞です。

この歌詞をどう思うかは人によって分かれるかもしれませんが、ともかくこの歌にも歌われている笑顔のもつパワー・すばらしさという点においては、異論を持つ人はあまりいないでしょう。

基本、相手の笑顔を見たとき、よほどの偏屈ものか、へそ曲がりでもなければ、あるいはよほど相手のことが嫌いということでもなければ、幸せな気分になるかどうかは別として、少なくとも嫌な気分にはならないものです。

笑う阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら笑わにゃSON SON

ってそれ、阿波踊りじゃないの?
と思うかもしれませんが、実は、笑いは、実際に笑ったり笑顔を作ったりしている人のほうがお得かもなのです。

よくアニマル浜口さんが、ワッハッハ ワッハッハ ワッハッハとテレビでやったりしています。
半分ネタもあるのでしょうが、笑うことによってポジティブな気分になれるということです。

実際に、笑顔を作ることで心理的に良い効果があるということが研究により明らかにされています。

強制笑顔で何が起こる?

ドイツのミュンテ博士らの研究によると、図のように女性に箸をくわえさせます。
Aは、箸を横にして歯で噛みます。
Bは、箸を盾にして唇で挟みます。

Aの場合は、けして笑っているわけではありませんが、箸を横にくわえることで、強制的に笑顔に似た表情になります。
Bの場合は、逆に強制的に沈鬱のおももちと似たような表情になります。

この状態で漫画を読んでもらい、その面白さに点数をつけてもらうと、同じ漫画を読んでいるにもかかわらず、箸を横にくわえて読んだほうが高得点、つまり面白かったという評価になっています。

笑顔に似た表情をつくることで、ドーパミンの神経活動が変化することもわかっていて、そのドーパミンは快楽や楽しい事であることの伝達物質であることから、楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔をつくることで、楽しくなるということも成り立ちます。

つまり、笑顔でいることにより、ポジティブで楽しい気分になれるということになります。

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