花のつぼみと花時計 | 薬剤師トピックス

花は、桜の開花に代表されるように、その季節によって開花します。

しかし、開花時期においても、夜は花は閉じ、朝になると花が開くという開閉を繰り返す植物もあります。

代表的な植物としてはチューリップが挙げられます。

チューリップの花の開閉

チューリップは花の開花時期に、1日のうちに花が開閉を繰り返す植物の代表として知られています。

チューリップの花は、開花時期になると、朝に花を開き、夕方になると花を閉じるという開閉運動を約10日ほど繰り返します。

イギリスのウッドとう科学者は、花の開閉運動のしくみを調べるために、1枚の分厚い花びらを外側と内側の二層に分けて水に浮かべ、水の温度を上げると花びらの内側は敏感に反応して急速に伸びることを発見しました。

つまり、気温が上がると花びらの内側が外側よりも速く伸びるために、花びらが外側に反り返り、それが開花現象になっているという結論を出しています。

これとは逆に、花びらを浮かべた水の温度を下げると、花びらの外側が急速に伸び、その結果、気温が下がると花びらの外側が急速に伸び、外側への反り返りがなくなって花びらが閉じるということになります。

この花びらの内側と外側の伸びの違いにより、花が咲いたり閉じたりするというしくみは、どんな花にも共通したしくみになっています。

開花の刺激

花を開花させるための刺激は、いくつかパターンがあります。

1つ目は、チューリップタイプです。
これは、前述したとおり『温度』によるものです。

2つ目は、タンポポタイプです。
タンポポは、朝明るくなることにより開花するものです。
もちろん温度も関係していて、夜の温度が13℃以上であれば、西洋タンポポの花は明るくなるにつれ開きはじめますが、それよりも夜の温度が低いと、明るくなっても開きません。

3つ目は、アサガオタイプです。
アサガオは、夕方に暗くなることが刺激となり花の開閉が行われます。
アサガオのつぼみは暗くなると時を刻み始め、一定の時間が過ぎると花が開くようになっています。
つまり、朝暗くしておいても、前日の夕方に暗くなってから10時間たてばアサガオの花は開きます。
逆に、人為的に暗くなる時間をずらすことで、開花する時間をずらすこともできるのです。

開花刺激のタイプ

気温が上がることにより開花するチューリップタイプの植物には、その他にポーチュラカやクロッカスがあります。

明るくなることが刺激になって開花するタンポポタイプの植物には、ムラサキカタバミなどがあります。

暗くなることが刺激となって一定時間後に開花するアサガオタイプの植物には、ツキミソウやゲッカビジンなどがあります。

つまり、ゲッカビジンを夜ではなく昼間に開花させたければ、開花3日前ぐらいのふくらみ始めたつぼみを、昼は暗い場所に入れ、夜には蛍光灯の光を当てれば、つぼみを昼間に開花させることができるのです。

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