同じ処方箋でも持っていく薬局によって支払金額が違ってくる | 薬剤師トピックス

薬局で処方される薬の値段は、3部構成になっています。

「調剤技術料」
「薬学管理料」
「薬剤料」

このうち、「調剤技術料」は、調剤に関連して薬を揃えたり、液剤や軟膏を調製したりする技術料になり、「薬学管理料」というのは、おくすり手帳に記入をしたり、服薬履歴を整理したりといったお薬を安全に使ってもらうための管理料になります。そして「薬剤料」は文字通り薬のお値段となるわけです。

同じ処方箋でも行く薬局によって、支払金額が違ってくる

このうち、あなたが処方箋をもっていく薬局によって支払う金額が違ってきてしまうのです。
何が違ってくるのかというと、調剤技術料が違ってきます。

調剤技術料の中には、調剤基本料というものがあり、これは電気・ガス・水道の基本料金みたいなものです。

この基本料は、1か月に受け付けた処方せんの回数や、集中率と呼ばれる特定の医療機関の処方せんの割合等によって違ってきて、大手チェーンや大病院の敷地内の薬局に行ったほうが、この基本料が安くて済むのです。

なぜならば、調剤基本料は、処方箋の受付回数が少なく、1つの医療機関からの集中率が低い薬局のほうが高くなるからです。

調剤基本料は、1か月に受け付けた処方せんの回数が少なく、集中率(特定の医療機関からの処方箋が占める割合)が低い薬局では、41点になっています。1点10円ですので、410円になりますが、3割負担ですと、123円になります。

ところが大手チェーンや大病院の敷地内の薬局のように、病院と一体となっていてその病院からの処方箋がほとんどといった薬局では、この調剤基本料が10点におさえることができます。つまり1点10円ですので、100円になりますが、3割負担ですので、30円になります。
処方せんの受付回数が多い大手チェーンでも調剤基本料が15点、つまり金額だと45円ににおさえることができます。
つまり、同じ処方箋でも処方箋をもっていく薬局によって、調剤基本料は3割負担の場合、30円~123円と90円以上の開きがでてくるのです。

クーポンGETスタンプ帳のようなおくすり手帳

こんなことを言うと、物議をかもしだしそうですが、ある面、おくすり手帳はクーポンをGETするためのスタンプ帳のようなものという見方もあります。
お薬ではなく、普通の買い物でも同じお店に何回も通うと、割り引いてくれたりしますね。これと同じように薬局も同じ薬局に行くと、お得意さんとして割り引いてくれるというものです。その際には、クーポンGETスタンプ帳にあたるおくすり手帳を必ず持参してきてくださいね。そうするとそこにおスタンプの代わりに調剤記録などをつけてお返ししまう。その際、支払うべき金額の中から、薬剤服用歴管理指導料にあたる部分を40円ほど値引きしておきますねということです。

もちろんこれは、おくすり手帳の利用、かかりつけ薬局を推奨するためのもので、患者さんが同じ薬局におくすり手帳を持参することで、薬歴管理をしやすくなるようにするという目的のためです。

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