売りたいものを買わせるゴルディロックス効果とは | 薬剤師トピックス

商売をしていると、一番売りたい商品というものが出てきたり、今一番押したい商品というものがあったりします。
お客さんに心理的にその商品を買いたいと思わせるテクニックが存在するのです。それが『ゴルディロックス効果』と言われている効果を利用した手法なのです。

ゴルディロックス効果とは

『ゴルディロックス効果』とは、心理学の分野でよく耳にする言葉ですが、心理学だけではなくマーケティングにも応用されていて、「ゴルディロックス相場」「ゴルディロックス・エコノミー」などといった言葉もあるくらいです。

ゴルディロックス効果とはどういうものかと言うと、一般に次のようなことが言われています。
商品に関する情報が少なく、価格帯の選択肢が2つしかなかった場合、約70%の人が価格の安いものを選択する。
商品に関する情報が少なく、価格帯の選択肢が3つになると、真ん中の価格帯のものを選びやすくなる。

つまり、一番安いものでも、一番高いものでもなく、真ん中の価格のものを選択しようとする購買心理のことを言います。

『ゴルディロックス効果』と同じように使われる言葉として、『松竹梅理論』というものがありますが、これも消費者が真ん中の「竹」を選ぶ人が多いというところからきています。

ゴルディロックスってどういう意味

『ゴルディロックスと3匹のくま(Goldilocks and the Three Bears)』という子供へのしつけやマナーを教えるためのイギリスの有名な童話に出てくる少女の名前が「ゴルディロックス」なのです。

名前の由来は、gold「金」+lock「髪」で、金髪の女の子という設定になっています。

どういうお話かというと

ゴルディロックスという少女が森でクマの家を見つけます。
中に誰もいなかったので、家の中に入ると、テーブルの上に「熱すぎる」、「冷たすぎる」、「ちょうどいい」の3つのお粥があり、「ちょうどいい」お粥を全部飲んでしまいます。
少女は疲れていたので椅子に座ろうとしたら、3つの椅子があり、「大きすぎる」、「もっと大きすぎる」、「ちょうどいい」の3つだったので、「ちょうどいい」大きさの椅子に座ったが壊れてしまいます。
少女は眠たくなったので寝室に行くと、「固すぎる」、「柔らかすぎる」、「ちょうどいい」ベッドがあったので、「ちょうどいい」ベッドで寝てしまいます。
そこにクマが帰ってきて、食べられたお粥、壊された椅子、寝られていたベッドを発見。目を覚めた少女はクマに驚き、慌てて家から逃げていくという物語です。

つまり「ちょうどいい中間のものを選ぶ」ということから、ゴルディロックス効果となっています。

売りたい商品を真ん中の位置づけにする

売りたい商品があるのであれば、あえてそれよりも高額でハイグレードなものと、それよりも安価でローグレードなものを用意して一緒に並べて提示します。
すると購入者は極端性を回避しようと中間をとって、一番売りたい商品を選択しやすくなるというロジックです。

この時の価格差は、「一番高額(A):売りたい中間価格帯のもの(B):一番安価(C)」=「6:4:3」が効果的だと言われています。

つまり、600円、400円、300円として、400円が選択されるというわけです。

不動産屋でも、売るために紹介する方法として、「高い物件」をまず紹介し、次に「安い物件」を紹介し、最後に「売りたい物件」を紹介すると成約率が上がるということが言われています。

また人が迷わず選択できる選択肢の数は5個が限界だとも言われています。

やってしまいがちな方法

物を売るときにやってしまいがちなのが、売りたいものをもっと売りたいので、同じ価格帯で同じグレードのものを集めて、それを横並びで展示してしまう方法です。
こうなると、買う方ははっきりと選択することができなくなってしまい、「やっぱりもう少し考えてから買いにきます。」というようになってしまうのです。

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