健康・美容・賢脳に関するAI時代の情報収集術

健康・美容・賢脳に関するAI時代の情報収集術

AIの進歩は目覚ましく、そのスピードも指数的に加速してきています。その一方で、AIはハルシネーションが問題になっています。AI時代の健康情報収集はどうしていったらよいのでしょうか?

Google/Yahoo型のPubMed vs Gemini/Chat-Gpt型のAI検索

昔は、文献検索をする場合などは、国会図書館などに行き Carrent Contents を調べたり、文献検索センターみたいなところで JICST(現 JDreamIII:科学技術文献情報データベースサービス)などで文献検索をしてきました。


ところが、最近はAIの登場により、文献の調べ方も全然違ってきています。


従来の検索は「単語の一致」が全てであり、いかに『シソーラス』という類語・関連語辞典を理解し、適切な検索語を打ち込んで文献検索するかが重要で、狙った文献にたどりつくのもいかに適切な検索語を選択できるかがカギを握っていました。


現在のAIは「意味の理解」に基づいて結果を出してくれるので、「〇〇は健康に良いか?」といったことについて、どんな研究がされているのか、そのまま素直な聞き方をすれば答えを出してくれます。

健康情報はハイブリッド検索がオススメ

自動車だとガソリン車と電気自動車、そしてそのいいとこどりをしたハイブリッド車があるわけですが、健康情報などの調べ方も、『ハイブリッド』がオススメです。

健康情報をChat-Gpt、Geminiで調べるのは要注意

AIというと、一般的に思いつき、多くの人が利用していると思われるものとして Chat-GptGemini などがあります。
確かに Chat-Gptにしろ、Gemini にしろ、非常に優れたAIで、調べものをするにしてもものすごく便利になっています。
しかし、最近ではかなりAI技術の進歩により改善してきているとはいえ、2025年〜2026年現在の段階では、これらのAIは、モデルや調べる内容にもよりますが、一般的なプロンプトに対して数%~20%程度の割合で不正確な情報が混じるとされています。
特に「特定の主張を裏付ける論文を教えて」というように裏付け論文を調べてもらおうとすると、なんと存在しない論文をでっちあげる確率が30%以上という恐ろしい実験結果もでています。

私も裏付け論文を調べてもらったら、存在しない論文をいくつも生成され、

icon

「えっ? この論文ないんだけど。。。」
ということもありました。

別に私のプロンプトが悪かったというわけでもないと思うのですが、5つ論文を提示されたら2つは、雑誌名・タイトル・巻・号・年・ページなどが違っていて、実際には存在すらしない論文になっているというのですからちょっと使えません^^
このあたりは、進化のスピードが速いAIのこと、1年いや半年、はたまた数カ月もすれば、ハルシネーションの率もどんどん少なくなっていくことと思われるので、期待したいところです。

AIで調べものをするとき、固有名詞、最新情報は特に注意が必要だということはよく言われている話ですが、最近のAIはわからないことを素直にわかりませんとは言わず、平気でウソをつくので困ったものです。しかも、もっともらしいウソをついてくるので注意が必要です。

icon

知ったかぶりしないで、わからないならわかりませんっと正直に言ってもらったほうが助かるんだけど…
と思ってしまうこともあります。


Geminiでの健康情報のハルシネーションを激減させる魔法のプロンプト
Gemini や Chat-GPT は使いなれているけど、別に研究者でもないので日本語で使いたいし、 Consensus、Elicit、SciSpace を使うまでもなく、Gemini や Chat-GPT で調べたいという人は、プロンプトの工夫次第で、ぐっとハルシネーションを激減させることができます。そちらについては、以下を参考にしてください。
Geminiでの健康情報のハルシネーションを激減させる魔法のプロンプト

健康情報を効率よく調べるなら、Consensus, Perplexity AI, ElicitSciSpaceがオススメ

とはいっても、PubMed などはしっかりと適した検索語を選ばないとうまくヒットしてくれず、「〇〇は健康に良いか?」ということを調べたい場合は、そこからシソーラスに則った形でどんな検索語で検索をかけたらよいのかハードルが高くなってしまいます。

「〇〇は健康に良いか?」というような感じで、手軽に実用的な情報を調べたいなら、Consensus(コンセンサス)Perplexity(パープレキシティ)Elicit(エリシット) あたりのAIがオススメで、効率的に情報をキャッチできます。

AIにもいろいろと得意分野があり、得手不得手があるので、得意分野をいかした使い方をしてあげるのがAIとうまくつきあうコツです。

icon

なるほど、科学論文やそのエビデンスなどについては、別のこういった分野が得意なAIを利用すればいいのか

Chat-GptGemini蓄積してきた自分の知識から答えるのに対して、ConsensusElicitは、外部のソース、つまり実際の査読論文のみを検索して、その中身を要約するというRAG:検索拡張生成という形式をとっているので、Chat-Gpt、Geminiなどの一般的なAIと比較すると、ハルシネーションは劇的に少なくなります。
ゼロにはなりませんが、存在しない論文をでっち上げるなんていうリスクはほぼほぼ回避することができます。
しかし、AIはAIであり、論文の内容を正しく解釈できているかとなると話は別で、要約や解釈でミスが起こる可能性は否定できません。Perplexityについては、ウェブ検索して回答する形なので、信頼性の低いブログなどから情報をゲットしてくる可能性もあります。

蓄積してきた自分の知識から答える系統のAIであるChat-GptGeminiなどは、それだけ膨大な知識の宝庫であり、そこから生まれてくるアイデアも豊富で優秀なのですが、知識が多すぎるが故に混同してしまったり、別のものをひっぱってきてしまったり、信頼性の低いサイトの情報もピックアップしてしまったりするところが弱点なのです。
この弱点を補うために、他のAIも使ってみたり、裏づけをしたりすることで、これらのAIを最大限利用できるのです。

【健康情報などを調べるのにオススメのAIまとめ】

Perplexity(パープレキシティ)https://www.perplexity.ai/
ネット上の最新情報をリアルタイムで検索し、出典元を明記しながら回答してくれる対話型AI検索エンジンになっています。

Consensus(コンセンサス)https://consensus.app/
2億本以上の学術論文から根拠を抽出し、質問に対して科学的根拠に基づいた回答を提示してくれる論文検索AIです。

利用方法は、以下の東京経済大学情報システム課のページに記事が載っています。
https://www.tku.ac.jp/iss/guide/classroom/ai/chatgptaiconsensus.html

また、atmaLab株式会社のページにも詳細が記載されています。
https://www.atmalab.co.jp/ai-articles/how-to-consensus

Elicit(エリシット)https://elicit.com/
特定の論文からデータを抽出・要約することが得意で、先行研究の調査やシステマティック・レビューの効率化に適しています。論文の引用件数や発行年などのフィルターを用いた検索も行えます。

SciSpace(サイスペース)https://scispace.com/ja
2億8,000万件以上の論文検索ができ、AIチャットでPDF内の数式や表を噛み砕いて解説してくれる、論文の「読解サポート」に強いオールインワンAIツールです。
さらに嬉しいことに、検索結果やチャット回答を日本語で表示する設定も可能です。
「患者群の病態ステージは?」
「〇〇の実験では何の試薬を使ってた?」
といった質問で、しっかりと答えてくれますし、図表や数式の解説までしてくれ、日本語にもしてくれるのです。
基本的には無料で利用することができますが、利用回数の制限があったり、チャットボットの質が低下するかもしれません。

SciSpaceの使い方について、参考になるページもご紹介しておきます。
https://note.com/academianote/n/n593dcb1bcd16

Consensus(コンセンサス)利用のアドバイス


Consensus(コンセンサス)などは、残念なことに日本語対応していません。
検索窓に日本語を打ち込んで検索することも可能ですが、意図しない論文がでてきてしまったりします。
そこで、英語が苦手という人、そこまで得意でなく面倒くさいという人は、日本語を Google翻訳や DeepL などの翻訳サイトで英訳してから、Consensusなどを利用すると良いでしょう。
DeepL : https://www.deepl.com/ja/translator
無料版があり、高精度な翻訳が利用可能です。
テキスト翻訳: 1回につき1,500文字まで。
ファイル翻訳: 1か月で3ファイルまで(1ファイル5MBまで)
編集不可。セキュリティ: 入力データがAI学習に利用される可能性があり

Consensusでの論文検索のポイント
次のポイントを理解していると、検索で有効な結果を得ることができます。

  1. 物事の関係について質問すること(例:お尻を叩くことは小児期の発達に影響を与えますか?)
  2. 簡単な「はい/いいえ」で答えられる質問をすること(例:ビタミンCのサプリメントで風邪を治療できますか?)
  3. 物事の効果について質問すること(例:感謝の習慣を身につけるとどんな効果がありますか?)
検索をすると、質問に関連する部分が各論文から抽出され、太字で表示されます。
その下に論文のタイトル、著者が記載され、各論文の評価が赤下線で示されます。

Rigorous Journal: 厳格な研究
Highly Cited: 多く引用されている
Very Rigorous Journal: 非常に厳格な研究
Case Report: 症例報告
評価なし



健康情報を効率よく調べるオススメのハイブリッドコース


ここで、いいとこどりの健康情報などを調べるオススメのハイブリッドコースをご紹介します。
まずは、入口としては効率性重視。
少なくとも架空の論文をでっちあげたりせず、ハルシネーションも劇的に少ないとされるAIを利用します。

「〇〇は健康に良いか?」「〇〇についての最新知見を教えて」というようなことをPerplexityConsensusElicit を使ってつかむとともに、賛否の情報のバランスなども把握します。

この段階でこんな論文や資料があるんだなとわかるので、次にConsensusElicit でこれはと思う論文をピックアップし、要約させます。
このとき、複数の論文を読み込んで、データの詳細を比較表にしてもらうこともできます。

Consensusも、Elicit もメールアドレスのみで登録でき、一般的な検索なら無料で利用できます。

最後の仕上げとして、裏づけ作業を行います。

icon

AIは優れているとはいえ、全てAIまかせにせず、ここの裏どり作業が大切!
AIで引用した特定の論文の要約が果たして正しいか、文脈に誤りがないかなどを確認します。
すでに論文のタイトルがわかっているので、PubMed またはGoogle Scholar の検索窓に論文のタイトルをそのまま打ち込むなり、コピペするなどすれば、実際の論文にアクセスできます。
PubMed で検索すると、中には、無料で見れず、有料であったり契約が必要なものもありますが、無料で見れるもの、また要約だけは見れるものについては、その内容を確認することができます。
検索結果や詳細画面に 「Free article」 または 「Free PMC article」 というアイコンが表示されていれば、誰でも無料で全文を読むことができます。
英語が苦手であっても、Google翻訳などをつかえば、ざっくりと内容もわかります。
また、SciSpaceを利用するというのもオススメの方法です。

最新の健康情報をGETする3つのルート

学術論文が査読されて、出版され科学論文雑誌に掲載されるまでには、時間がかかります。
したがって、Google ScholarPubMed、さらには査読論文から情報を集めてくるAIでは、24時間〜1週間以内の最新情報は引っ張ってこれません。
そこで、最新の情報をGETするには、次の3つのルートがオススメです。


プレスリリース・ニュース集約サイト

大学や企業が「今日、こんな発表をしました!」と出す一次情報ですので最速情報です。


【一次情報GETに役立つオススメリンク】

ScienceDailyhttps://www.sciencedaily.com/) :
健康、科学の速報が数時間おきに更新


Medical Xpress (https://medicalxpress.com/#google_vignette) :
医療・保健分野に特化した速報サイト


NIA (National Institute on Aging) News (https://www.nia.nih.gov/news):
アメリカ国立衛生研究所(NIH)傘下の「国立加齢研究所」の公式ニュース


NutraIngredients (https://www.nutraingredients.com/Asia-Pacific/) :
美容と健康に関する記事。


Cosmetics & Toiletries (https://www.cosmeticsandtoiletries.com/):
化粧品化学の専門サイト。成分の抽出法や皮膚への浸透メカニズムなど


Neuroscience News (https://neurosciencenews.com/):
脳科学や学習効率に関する特化サイト。


BPS Research Digest (https://www.bps.org.uk/research-digest):
英国心理学会(最新の心理学研究)


MIT News (Brain and Cognitive Sciences) (https://bcs.mit.edu/news):
MITの脳・認知科学部門の最新研究


AIツールの「期間指定検索」

PerplexityなどのAIを使った検索範囲の絞り込みをしていく。


参考プロンプト:
「過去1週間以内に発表された、[成分名やトピック]に関するニュースを、信頼できる科学ニュースサイトから探して要約してください」

これでAIが最新のWeb記事を巡回して回答を生成してくれます。


プレプリント・サーバー(論文の卵)

24時間以内に投稿された最新の研究がチェックできますが、査読は終わっていません。


【査読前の速報情報をGET】

medRxiv (メドアーカイブ)
  https://www.medrxiv.org/content/about-medrxiv 
bioRxiv (バイオアーカイブ)
  https://www.biorxiv.org/