不眠の現状と睡眠の改善

不眠の現状と睡眠の改善

不眠・睡眠に関する現状と、その改善方法について紹介していきます。

日本人の睡眠の実情

日本人の平均睡眠時間は、総務省統計局の社会生活基本調査によると、平成23年のデータで7時間42分というデータがあります。
これは5年前の平成18年に行われたデータとほぼ変わっていないので、直近の日本人の平均睡眠時間はだいたい7時間40分程度とみてよいでしょう。

 

平成27年の国民健康・栄養調査において行われた1日の平均睡眠時間の調査においても、「6時間以上7時間未満」と回答した人が男性で33.9%、女性で34.2%と最も多くなっています。一方で、1日の平均睡眠時間が6時間ないし5時間未満という人の割合は、平成19年以降有意に増加してきています。

 



 

一方、睡眠に対する満足度を見てみると、平成24年の国民健康・栄養調査によると睡眠に不満を持っている人の割合は、14.9%となっています。

 

国際的にみると、2011年に行われたOECD(経済協力開発機構)の国際比較調査では、日本人は男女とも睡眠時間が最も短くなっています。
世界的にみても、日本人は寝る時間が少ない国民と言えるのかもしれません。

睡眠不足による社会的損失

睡眠不足による社会的損失について、日本大学(医)精神神経医学教授の内山真医師によると、労働1人当たりの年間生産損失額から試算すると、年間3.5兆円の損失という数字がたたき出されています。
眠気がある時は、眠気がない時と比較して作業効率が約4割低下するということも判明していて、「眠気に問題のある人とない人の頻度の差」に「眠気のある時の作業効率の低下率」と「年間給与」を掛けて計算すると、年間1人当たり男性で25.6万円、女性で13.7万円の生産性損失が出るという結果になっています。

 

また、日本睡眠学会が出している試算によると、睡眠不足による生産性の低下や遅刻・早退・欠勤、交通事故や産業事故、医療費の増加などを考慮すると、睡眠不足による経済的損失は年間約5兆円とも言われています。

睡眠の大切さ

昔は、受験で四当五落(よんとうごらく)とか、三当四落(さんとうしらく)等という言葉がありました。
今はそんな言葉があるかどうかわかりませんが、要するに睡眠時間が4時間で勉強した人は合格でき、5時間寝た人は落ちてしまう。いやいや睡眠時間4時間じゃ落ちてしまうから合格するのには睡眠時間3時間でなければダメだというような言葉です。

 

当然、今ではこんな言葉は非科学的な言葉であることが証明されています。寝ている間に記憶が定着するということからも、睡眠時間が少なく寝不足をすると成績が下がるということも証明されています。
時間がなければ睡眠時間を削れ!というのは、あらゆる物事の効率性を考えると、間違っていることがわかるでしょう。