新・機能性表示食品制度について

新・機能性表示食品制度について

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機能性表示制度のオリジナル動画

 


「機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン案概要」の6つの柱

2015年1月14日、政府の規制改革会議「健康・医療ワーキンググループ(WG)」は、消費者庁の担当者が出席し、「機能性表示食品」制度を取り上げています。
そこで、制度を活用する企業に示す「ガイドライン(指針)案」の概要が説明されました。
示されたのは指針案の概要で、実際の指針は、システマティックレビュー(SR)の行い方や基礎的な解析手法の説明などより細かなものとなる予定。

 

 「機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン案概要」の6つの柱
1.「安全性」
2.「生産・製造、品質」
3.「健康被害の情報収集」
4.「機能性」
5.「表示のあり方」
6.「国の関与のあり方」
安全性評価は、食経験や安全性試験データをもとに行う。

 

 

喫食実績による食経験を評価する際の基本

 

  1. (1)全国規模であり、機能性を表示する食品の摂取集団よりも広範囲の摂取集団で、同等以上の摂取量による一定期間の喫食実績があること
  2. (2)日本人の食生活・栄養状態、衛生面や経済面などが類似の国・地域で、機能性を表示する食品の摂取集団よりも広範囲の摂取集団で、同等以上の摂取量による一定期間の喫食実績があること
  3. (3)関与成分または最終製品の食経験を評価する場合は、「すでに流通している当該食品と同じもの」で評価
  4. (4)関与成分が定性的・定量的に同等で、関与成分の消化・吸収について無視できる程度の差しかないケースに限っては、「当該食品と類似する食品」で評価することも可能。(必ずしも全国規模で評価できなくてもよい)

 

喫食実績による食経験の評価ができない場合は、データベースの2次情報によって評価する。

  • *関与成分や最終製品の安全性試験を実施する。
  • *関与成分だけで安全性を評価し、最終製品に外挿することも可能。
  •      (外挿できる科学的な理由を示さなければならない。)

  • *科学的根拠を評価する際に、文献に記載されている関与成分と、実際に製造される成分が同等かどうかを評価する。
  • 医薬品との相互作用、関与成分同士の相互作用(関与成分を複数含む食品に限る)については、データベースの2次情報などによって評価。

新・機能性表示制度に届け出る機能性の2つの実証方法

新・機能性表示制度に届け出る機能性の2つの実証方法

 

新・機能性表示制度に届け出る機能性の実証は、次のいずれかで行う。
 (1)最終製品を用いた臨床試験
 (2)最終製品または関与成分に関する研究レビュー

 

<① 最終製品を用いた臨床試験の留意事項>
臨床試験実施の合、試験の計画を「UMIN臨床試験登録システム(UMIN-CTR)」に事前登録
経過措置として、食品表示基準の施行後1年を超えない日までに開始された研究は、事前登録省略可。
*臨床試験の方法は原則、特定保健用食品に準拠する。
*臨床試験の参加者は、疾病に罹患していない者から選定。
   (未成年者、妊産婦、授乳婦を除く。)
「疾病に罹患していない者」とは次の者

  1. (1)診断基準が存在する場合は、その基準に基づき、疾病がないと分類される者
  2. (2)診断基準が存在しない場合は、医師のスクリーニングにより、疾病がないと認められた者

臨床試験の結果は誰もが適切に評価できるように、「CONSORT声明」など国際的コンセンサスの得られた指針に準拠した形式で、査読付き論文によって報告しなければならない。

 

<② 最終製品または関与成分に関する研究レビューの留意事項>

  1. (1)定性的または定量的なシステマティック・レビュー(SR)を実施。
  2. (2)「totality of evidence」(肯定的・否定的、研究デザインを問わず、すべてを検討して、総合的に肯定的といえるかどうか)の観点から判断
  3. (3)「UMIN-CTR」などへの事前登録は必須としない。

*SRの対象となる臨床試験(論文)の対象者は、最終製品を用いた臨床試験と同じ考え方。
*前向きコホート研究はアウトカム評価時、症例対照研究は調査開始時に、疾病罹患者でも可。
*SR実施の場合、選択基準と除外基準、レビューのプロトコールに従って、関連研究を検索。
*選択基準を満たした個々の論文については、バイアスリスクなどの観点から質を評価。
*関連論文をまとめたエビデンス総体については、論文間の結果のバラつきや出版バイアスなどの観点から、エビデンスの強さを評価。
肉体改造、増毛、美白などの表現は禁止

機能性表示食品制度の対象

機能性表示食品制度の対象

 

機能性表示食品制度の対象 : 食品全般
対象外 :
 ①「特別用途食品、栄養機能食品(と重複できない)」
 ②「アルコール含有飲料」
 ③「脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウムの過剰摂取につながる食品」

機能性表示食品で可能な表示

機能性表示食品で可能な表示

 

「健康の維持・増進に役立つ、または適する旨(疾病リスクの低減を除く)を表現するもの」

  1. (1)容易に測定可能な体調の指標の維持に適する、または改善に役立つ旨
  2. (2)身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する、または改善に役立つ旨
  3. (3)身体の状態を本人が自覚できて、一時的であって継続的・慢性的でない体調の変化の改善に役立つ旨

 

機能性表示食品で認められる表現と認められない表現

 

●認められる表現
身体の特定部位に言及した表現や、特定保健用食品で認められている範囲内(疾病リスク低減表示を除く)の表現は可能 

 

●認められない表現
「診断」「予防」「治療」「回復」「緩和」「処置」といった医学的な表現は使用できない。 
「疾病の治療効果や予防効果を暗示する表現」
   (糖尿病の人に、高血圧の人になど)
「健康の維持・増進の範囲を超えた意図的な健康の増強を標ぼうするもの」
   (肉体改造、増毛、美白など)
「科学的根拠に基づき実証されていない機能性に関する表現」

 

<「科学的根拠に基づき実証されていない機能性に関する表現」とは>

  • 限られた免疫指標のデータを用いて身体全体の免疫に関する機能があると誤解を招く表現
  • in vitro試験や動物を用いたin vivo試験で実証された根拠のみに基づいた表現
  • 生体に作用する機能が不明確な表現

 

<「指標」について>

  • *医学的・栄養学的に十分に評価され、広く受け入れられているもの
  • *疲労や眠気といった主観的な指標によってのみ評価できる機能性も対象
  • *用いる指標は日本人に妥当性があって、学術的に広くコンセンサスが得られたもの

機能性食品の情報開示の義務

情報開示の義務
容器包装の表示に加え、消費者庁や企業のウェブサイト
  一般消費者がわかるように、可能な限り簡単な言葉に置き換えた情報も開示。

ガイドラインに届出項目・スケジュールなど
 消費者庁の新制度ガイドライン案の概要は、生産・製造・品質の管理や、健康被害の情報収集に関する留意点も示した。

 

届出制と届出の際に用意すべき資料
届出制については、商品が販売される前に消費者庁へ届け出る「販売前届出制」
販売開始60日前に届出情報を開示
※ガイドラインに、「届出項目」「届出スケジュール」「届出内容の変更」に関する事項を明示予定。
今後、施行通知とガイドラインを公表することになる。
新制度は3月末までに整備され、スタートする予定
衛生管理や品質管理などの安全性を確保していることを説明する資料
「生産・製造、品質管理の体制」
「食品中の機能性関与成分などの分析に係る資料」
消費者や医療関係者などから連絡を受けるための体制
組織図、連絡フローチャート、健康被害情報の対応窓口の連絡先などの資料
消費者や医療関係者などから、当該食品による因果関係が否定できない有害事象の情報を入手した場合は、迅速に消費者庁へ報告することを求めている。

科学的根拠のない製品群が市場から淘汰されることを強く期待

イメージ広告に対する景品表示法や健康増進法による行政処分の強化が必要と指摘。
「いわゆる健康食品として一括して取り扱われている製品群のなかから、科学的根拠に基づく機能性を表示した製品群が消費者に選択されることによって、科学的根拠のない製品群が市場から淘汰されることを強く期待したい」

 

2015年1月14日、政府の規制改革会議「健康・医療ワーキンググループ(WG)」は、消費者庁の担当者が出席し、「機能性表示食品」制度を取り上げています。
そこで、制度を活用する企業に示す「ガイドライン(指針)案」の概要が説明されました。
示されたのは指針案の概要で、実際の指針は、システマティックレビュー(SR)の行い方や基礎的な解析手法の説明などより細かなものとなる予定。