脂肪酸名 | 炭素数 | 溶解性 | 洗浄力 | 泡量 | 泡性状 | 泡持続性 | 素地の固さ | 安定性 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
飽和脂肪酸 | ? | 10以下 | 大 | 非常に小さい | 少ない | やや粗大 | 小さい | 硬い | 大きい |
ラウリン酸 | 12 | 冷水に易溶 | やや大きい | 多い | やや粗大 | 中程度 | 硬い | 大きい | |
ミリスチン酸 | 14 | 冷水に溶 | 大きい | 多い | 細かい | 大きい | 硬い | 大きい | |
パルミチン酸 | 16 | 冷水に難溶 | 大きい | 中程度 | 細かい | 大きい | 硬い | 大きい | |
ステアリン酸 | 18 | 冷水に不溶 | 非常に大きい | 少ない | 細かい | 中程度 | 硬いが脆い | 大きい | |
不飽和脂肪酸 | オレイン酸 | 18 | 冷水に易溶 | 大きい | 多い | やや粗大 | 中程度 | 柔らかくねばりがある | 普通 |
リノール酸 | 18 | 冷水に易溶 | 中程度 | 中程度 | やや粗大 | 中程度 | 柔軟 | 変敗しやすい |
それぞれの油脂に含まれる脂肪酸の組成になります。
炭素数10以下の飽和脂肪酸 | ラウリン酸 | ミリスチン酸 | パルミチン酸 | ステアリン酸 | 炭素数20以上の飽和脂肪酸 | オレイン酸 | リノール酸 | リノレン酸 | アラキドン酸 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤシ油 | 15.2 | 48.2 | 17.3 | 8.8 | 2 | ? | 6 | 2.5 | ? | ? |
パーム核油 | 6 | 52 | 15 | 7.5 | 2.5 | ? | 16 | 1 | ? | ? |
パーム油 | ? | ? | 1 | 42.5 | 4 | ? | 43 | 9.5 | ? | ? |
牛脂 | ? | ? | 2.2 | 35 | 15.7 | ? | 44 | 2.2 | 0.4 | 0.1 |
豚脂 | ? | ? | 1 | 26 | 11 | ? | 48.7 | 12.2 | 0.7 | 0.4 |
大豆油 | ? | ? | ? | 8.3 | 5.4 | 0.1 | 24.9 | 52.3 | 7.9 | ? |
米糠油 | ? | ? | 0.4 | 17 | 2.7 | 1.4 | 45.5 | 27.7 | ? | ? |
透明石鹸は一般の化粧石鹸と同様に高級脂肪酸のナトリウム塩を主体にしたものですが、カリウム塩、トリエタノールアミン塩との併用タイプもあります。
透明石鹸の外観はその名のとおり透明であることが特徴で、原料には、高級脂肪酸やパーム核油、パーム油、ヤシ油、オリーブ油などの油脂が用いられます。
透明性や可塑性をあげるためにヒマシ油が用いられることもあります。
グリセリンと同様の目的や使用感にバリエーションを持たせる意味あいから、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤などが添加されることもあります。
透明石鹸の結晶を微細結晶とするために、エチルアルコール、グリセリン、砂糖といった透明化剤が添加されたりします。
純石鹸と無添加石鹸あるいはオーガニック石鹸とはどう違うのでしょうか。
石鹸も低刺激なものを使いたいということで最近話題になっているのが純石鹸です。
純石鹸とは「脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウムが98%以上のもの」と規格が定められているものになります。
無添加石鹸は、界面活性剤、着色料、香料、防腐剤など刺激性の高い成分が配合されていない石鹸になります。
しかし、無添加については、何が無添加なのかまちまちになっているので、全成分表示などできちんと確認することが大切です。
無添加には明確な基準がないため、多くのメーカーでは、アレルギーなどの皮膚障害を起こす可能性がある旧表示指定成分を添加していないものを無添加としているところがありますが、何が無添加なのかはメーカーに確認するなり、製品の表示を見るなり、全成分表示を確認するようにしたほうが良いでしょう。
オーガニック石鹸は、農薬や化学肥料を使わないで有機栽培で育てた植物のみを使ってつくられた石鹸ということになります。
植物というと肌に優しいというイメージがありますが、植物成分の中には肌に刺激性があるものもあり、必ずしも植物成分=肌に優しいとは言い切れません。