
食物繊維でも整腸便秘薬でもなかなか良くならない便秘
慢性便秘診療ガイドラインの中でも出てくる排便困難型の便秘を改善する方法について解説しています。
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何日間も便意がない排便回数減少型の便秘とは違い、肛門付近の直腸まで便がきているのに便が出せないという排便困難型の便秘があります。
2017年に発表された慢性便秘診療ガイドラインの中でも出てくる排便困難型の便秘ですが、食物繊維を多く摂取しても、整腸便秘薬を飲んで腸内環境などの改善をしても、運動や体操をしても、マッサージをしてもなかなか便秘が良くなりません。
便秘で悩む人の2~3割がそうだとも言われていますが、その原因は直腸周辺の筋肉の働きが原因となっているケースが多くあります。
肛門の近くには恥骨直腸筋という筋肉があります。
この筋肉は普段は直腸を締めて便を止める働きがあります。しかし便を出そうといきんだ時もギュッと締まってしまい、肛門が開かなくなり便が出ないということになります。
恥骨からちょうど輪っかのように伸びていて、直腸にかかっている感じで、おしりをギュっとしめることで肛門が締まりこの恥骨直腸筋が前方の恥骨側に引っ張られます。それにより直腸も前方にくの字型にまがり締め上げられます。
この調整がうまくできず便が直腸まできてるのに便が出せないといった場合があります。
こうした場合は、「肛門を締めたり緩めたりする運動」を行い恥骨直腸筋を動かす運動をすると良いのです。
この恥骨直腸筋を動かす運動は、恥骨直腸筋を鍛えるのではなく、締めたり緩めたりすることで恥骨直腸筋が緩んだ状態を自覚し、スムーズに排便する感覚・コツをつかんでいくものです。
この運動の目的は、ギュッと力を入れて肛門を締め、筋肉が疲れたところで脱力をして肛門から力を抜いて感覚をつかむためのものです。
もし、恥骨直腸筋を上手く動かすことができずに便秘になっている場合は、1ヵ月も続けていると改善してきます。