
●感染者 :
国内では最も感染者数の多い性感染症で、約100万と言われています。
感染してもなかなか症状が現れにくく、知らぬ間に感染が進み、他人にうつしてしまうケースが多くあります。
感染者は、若い女性に多く、20歳から24歳をピークに、10代後半から30代前半に集中しています。
●病原 : 細菌 (クラミジア・トラコマティス)
●感染ルート : 性行為感染(オーラルセックスも含む)、母子感染
妊娠中、検査で感染がわかれば治療し母子感染を防ぐ。
●潜伏期間 : 感染後1~3週間
●症状 :
感染初期は、無症状の場合も多く、気づかない人も多い。
わずかにおりものが増えたり、不正出血、下腹部の軽い痛みなどがある場合がある。
女性は、20%くらいしか自覚症状が出ないと言われています。
病状が進むと、子宮頸管炎、尿道炎、子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎に発展します。
そうなると高熱、下腹部痛が出てきます。
不妊症になったり、早産、流産などの原因になったり子宮外妊娠の原因になります。
男性は、尿道に炎症を起こし、排尿時にしみたり、濃い汁が出てきます。
症状が進むと、副睾丸炎や慢性前立腺炎などとなります。
喉に感染した場合には、喉が腫れたり、痛みが出たりします。
●こんな時は疑う候補疾患
喉に腫れ・痛み、発熱がある。
排尿時に軽い痛みがある。
不正出血がある。
おりものが増加した。
性行為の時に痛みがある
尿道からの分泌物がある。
尿道にかゆみ、不快感がある。
睾丸に腫れ・痛みがある
下腹部が痛む
●検査法 : 膣分泌物・尿・喉分泌物
男性は尿検査、女性は膣分泌物で検査を行います。
尿は、オシッコの出始めの尿(初尿)にて検査を行います。
初尿以外の尿だと、尿道の細菌がオシッコと共に流れてしまうので、検出できなくなる可能性があります。
初尿をとりそこねた場合は、2時間後までは待つようにします。
女性の膣分泌物は、長い綿棒のような器具で採取します。
卵管炎や腹膜炎を起こしている場合には血液検査を行うこともあります。
喉への感染検査も、長い綿棒のような器具で喉の粘膜、分泌物を採取して検査をします。
●治療法 :
○テトラサイクリン系抗生物質の内服
クラミジアの細胞壁合成・蛋白合成を阻害することで淋菌を殺し、感染を治療します。
普通は2週間程度で治ります。