
疥癬
性病検査キットを使うにあたり、疥癬について説明しています。
性病検査キットと臨床検査のポイント
●感染者 : 疥癬患者は年間8~15万人と予想されています。
●病原 : ダニ(ヒゼンダニ)
ヒトの皮膚の角質層に寄生。交尾後、雌は角質層にトンネルを作り産卵、3~4日で孵化し、脱皮を繰り返し成虫となり10~14日生存します。
●感染ルート : 性行為感染、肌から肌への直接感染、寝具や衣類などによる間接感染。性的接触感染はごくわずかと言われています。
感染経路は人と人との接触がほとんどで、家族、介護者、セックスパートナーの他、ダンスの相手やこたつで行う麻雀の仲間、畳での雑魚寝などでも感染する可能性があります。
寝具、衣類などから感染することもあります。
ヒゼンダニはヒトの体温より低い温度では動きが鈍く、16℃ではほとんど運動しなくなるので、通常の社会生活で、普通の疥癬患者と数時間並んで座った程度では、感染する可能性はほとんどありません。
●潜伏期間 : 約1ヵ月~2ヵ月
●症状 :
点状又は線状の小さな赤いブツブツができ、夜中布団に入り、温まってくると激しいかゆみを感じてくるのが特等です。
我慢できないほどの強いかゆみは、ヒゼンダニの雌が角質層に卵を産みつけるためです。
首から下の全身、特に指や手などに、赤いブツブツや水泡が出来ます。
●こんな時は疑う候補疾患 :
激しいかゆみを伴う赤いブツブツや、ミミズ腫れのような盛り上がりが全身に出る。
●検査法 :
注射針でヒゼンダニを取り出したり、メスや眼科用ハサミを用い、角質層を採取した後、顕微鏡で観察します。
●治療法 :
入浴洗浄後、クロタミトン軟膏、安息香酸ベンジル液、チアントール(有機硫黄剤)等を数日間、全身にくまなく塗布します。
衣類、寝具への殺虫剤散布、洗濯も同時に行い、ヒゼンダニを駆除します。