
軟性下疳
性病検査キットを使うにあたり、軟性下疳について説明しています。
性病検査キットと臨床検査のポイント
●感染者 :
熱帯や亜熱帯地方での頻度が高いが、日本では年間数十例程度の発症数があります。
●病原 : 細菌(ヘモフィリス・デュクレイ菌)
●感染ルート : 性行為感染
●潜伏期間 : 3日から1週間前後
●症状 :
下疳(げかん)と言うのは潰瘍のことです。
下疳には、硬性下疳、軟性下疳、混合下疳の3種類で、梅毒の場合は硬性下疳、デュクレイ菌は軟性下疳となります。
男性は、亀頭の溝や包皮の内側に大豆くらいの大きさの潰瘍ができます。
女性は、陰唇部や膣前庭(膣入口部分)などに大豆くらいの潰瘍が出来ます。
潰瘍は柔らかく、触ると痛みがあります。表面には膿があり、潰瘍と周囲との境界線がはっきりしています。
膿に菌がいて、周囲の正常な皮膚に付着し感染が広がることもあります。
潰瘍が出て1~2週間で鼠径リンパ節の腫れと痛みが出て発熱することがあります。
●こんな時は疑う候補疾患 :
性器に、豆粒大の軟らかいコブができた。
リンパ節が腫れた。
●検査法 : 視診
患部を見たり触ったりする診察で分かります。
●治療法 :
サルフィ剤やテトラサイクリンが有効。
抗生物質を含む軟膏を塗布します。
オーレオマイシン、スルファメチゾールなどを内服。
腫れた部分が化膿しているときは、切開し膿を出す。
1ヵ月程度で治癒します。