初期症状

間質性腎炎(尿細管間質性腎炎)
発熱、発疹、関節の痛み、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などが持続したり、その後にむくみ、尿量が少なくなるなどが見られる。
抗生物質では発熱、発疹、関節痛などのアレルギー症状が出現する場合もあるが、初期は無症状のことも多い。

危険因子

以前に医薬品を服用し、皮疹や呼吸器症状、腎機能障害、肝機能障害などを認めた既往のある患者。

特徴

発熱、発疹、好酸球増多が三症候とされていますが、これが見られるのは1/3とも言われています。片側側腹部痛や腰痛を訴える場合も多い。
発熱、皮疹、関節痛、悪心・嘔吐、下痢、体重減少(脱水が原因)、側腹部痛などの非特異的なアレルギー症状の後に、尿量減少、浮腫、体重増加(尿量減少による体液量増加が原因)、呼吸困難などを認める 。

他覚所見

皮疹、体重減少、浮腫、体重増加。

臨床所見

尿蛋白陽性(1g/日以下であることが多い)、尿潜血陽性、尿沈渣にて好酸球や白血球円柱あり(赤血球円柱なし)
NAG増加、尿α1-ミクログロブリン増加、尿β2-ミクログロブリン増加
BUN増加、Cr増加、電解質異常(高K、低 Na血症)、代謝性アシドーシス、白血球数増加、好酸球数増加、RIST増加
りンパ球刺激試験(DLST:試験の結果が陽性の場合には、原因医薬品を特定できることもあります。)
腹部超音波検査や腹部 CT などにより、急性では両側の腎腫大を認め、慢性では腎萎縮を認める。

原因薬剤

アロプリノールの場合、フロセミドやチアジドとの併用で発症頻度が増加するとの報告がある。
抗生物質(特にペニシリン系、セフェム系)、抗結核薬、解熱消炎鎮痛薬(NSAIDs)、抗てんかん薬、消化性潰瘍薬、痛風治療薬

発生機序

発生機序は、詳細は明らかではないが、その臨床症状および病理学的所見から、免疫学的メカニズムの関与が考えられ、医薬品がハプテンとして蛋白と結合し、その抗体による免疫複合体が尿細管や間質に沈着するアレルギーのⅢ型が言われていますが、I~IV型まですべてが関与する可能性があるとされています。
また、NSAIDsの場合は、中毒性腎障害でプロスタグランジンの産生低下に伴う腎血流量低下によると言われています。

発症までの期間

発生頻度に関する報告はない。
抗生物質では2~60日後、NSAIDsでは数ヵ月~1年後の発症が多いとされています。

対応

発熱、発疹、関節痛、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などがみられ、むくみや尿量が少なくなる、体重減少などがみられる場合であり、医薬品を服用している場合は、受診をする。
薬剤の中止により軽快することが多いが、場合によっては慢性血液透析が必要になる場合もあります。