B型肝炎

B型肝炎

性病検査キットを使うにあたり、B型肝炎について説明しています。

B型肝炎の症状

●感染者 :
日本では130万人ほどの感染者がいると言われています。

 

●病原 : DNAウイルス (HBV:B型肝炎ウイルス)

 

●感染ルート : 性行為感染、血液感染、母子感染

 

HBVは、血液・精液・膣液・唾液中に含まれています。
HIVと違い、キスでも感染します。

 

ペットボトルの回し飲み程度では感染しませんが、ディープキスで感染したケースがあります。

 

ピアス、刺青などで使用器具の使いまわしによる感染があります。

 

●潜伏期間 : 1~3ヵ月

 

●症状 : 
すごい全身の倦怠感がでてきます。

 

疲労感で、食欲不振・不眠症が起こり、微熱・下痢・吐気・黄疸が起こります。

 

黄疸が出るようになると、尿が茶色っぽくなります。

 

不顕性感染といって、症状が出ないまま、自然と治るケースもあります。
状が出るのは感染者の3人に1人ほどで、感染していても無症状のままで自然治癒してしまう感染者がかなりの数いると言われています。

 

持続感染で、自覚症状がないまま慢性肝炎になるケースもあり、放置することで肝硬変から肝臓がんへと進行することがあります。

 

●こんな時は疑う候補疾患 :
  黄疸が出た。
  発熱、全身の倦怠感、食欲不振、吐気、濃い色の尿が出た。

B型肝炎の検査

●検査法 : 血液検査

 

スクリーニング検査として、HBs抗原検査、HBs抗体検査、HBc抗体検査が行われます。

 

また、HBVのDNA遺伝子を精度よく検出するNAT検査も導入されています。
HBs抗原は、現在の感染状況を見るのに一番よい指標となります。

 

B型肝炎ウイルスマーカーの種類と測定意義

ウイルスマーカー 測定意義
HBs抗原 B型肝炎の感染状態
HBs抗体 B型肝炎の感染既往
HBc抗体

低抗体価 : B型肝炎の既往
高抗体価 : B型肝炎の感染状態

IgM型HBc抗体

低抗体価 : B型急性可燃の回復期とB型慢性肝炎の憎悪期
高抗体価 : B型肝炎の感染状態

HBe抗原 血中のB型肝炎ウイルス量が多く感染性が強い
HBe抗体

通常、血中のB型肝炎ウイルスが少なく、感染性は弱く、活動性も低い。
一部のHBe抗原産生不能なB型寛延ウイルスでは感染性が強く活動性もある。

HBV-DNA、HBV-DNAポリメラーゼ 血中B型肝炎ウイルスの存在とウイルス量の指標

B型肝炎の治療

●治療法 : 薬物療法、安静療法、食事療法が基本になります。

 

抗ウイルス薬としては、インターフェロン、ラミブジン、アデホビルピボキシル、エンテカビル水和物が使われます。

 

食事は、高エネルギー、高タンパク、高ビタミンが原則となります。
急性肝炎の場合には1~2ヵ月で完治します。

 

一度感染すると約9割の人が終生免疫ができるとされる一方、まれに急性肝炎が劇症化し、急激に大量の肝細胞が破壊され、生命の危機となることがあるので注意が必要です。

 

慢性肝炎を発症した場合は、肝硬変、肝臓がんと進行するケースがあるので、要注意です。

検査キット