おなじみの単語だけど油断できない多義語

おなじみの単語だけど油断できない多義語

英語が苦手の人は、覚えている単語しかないのに、上手く英文を訳せないことはよくあります。こういった場合、もしかしたら多義語が原因しているのかもしれません。

なぜ知っている単語しかないのに、上手く訳せないのか

英語が苦手な人だと、英文を読もうとするとき、ざっとみて自分の知らない単語はない、すべて覚えた単語だ。しかも一つ一つの文章はそれほど長くもなく、複雑な文章構造をしているわけでもなさそうだ。
そう思い、読み進めていくが、意外とうまく訳せないということがあります。

 

おかしいな、自分が知っている単語ばかりなのに・・・
特に構文的にも難しくないのに、なぜかしっくり訳せない・・・

 

なんでなんだろう。。。

 

それは、もしかしたらその英文に多義語があって、それを上手く訳せていない可能性があります。

見た目簡単だけど、実は英文解釈のキーとなる多義語

多義語とは、一つの単語でいろいろな意味を持っている単語です。

 

英語は、難しい専門用語よりも、どの英文にも出てくるような単語だけなら中学1年生でも、あるいは小学生でも知っているような単語が、本当は難しかったりします。
なぜなら、それは一つの単語で複数のいろいろな意味を持っているからです。

 

例えば、辞書をみてみるとわかるのですが、重要語のマークもついていないようなマニアックな単語は、ほとんどの場合、日本語訳が1つしか書いてありません。
確かに、あまり出てこない単語とか、特定分野の専門用語などは、認知度から言えば低いのかもしれませんが、覚えているかいないかの違いで、訳が1つしかないので、誰が訳しても、その訳になるので、そういった面ではある意味簡単な単語と言えるでしょう。

 

ところが、多義語の場合は、一見簡単な単語でも、辞書をみると訳がいっぱい書いてあり、それに伴い、多くの用例も出ています。
例えば、abstain という単語ですが、意味は、慎む、棄権する、禁酒するといった具合に、複数の訳があります。
英文を読んで、どの訳が適切なのかを判断しなければならないのです。つまり訳語の選択という作業がでてくるわけです。

 

もし、abstain の意味を、禁酒するという意味しか覚えておらず、棄権するという意味をしらなかったら、abstain from voting という形を見たときに、「投票を禁酒する」ってどういうこと?というようになってしまいます。

 

abstain に、慎む、棄権するという意味があることを知っていれば、投票を棄権したとわかります。

 

そこで、受験やTOEICで良く出てきて、おさえておきたい多義語をまとめてみました。

受験やTOEICでおさえておきたい主な多義語

WORD 訳語1 訳語2 訳語3 訳語4 訳語5 訳語6
article 品物 記事 冠詞
available 利用できる 空きがある 手に入る
bound 縛る(bindの過去) 弾む 境界線
bow お辞儀をする 由美
bright 明るい 賢い 美しい
character 登場人物 性格 文字
charge 請求 充填 避難
check 点検・チェック 障害物
themist 科学者 薬屋
clever 賢い 器用な
close 閉じる 近い
code 暗号 決まり
content 内容 満足した
convention しきたり 習慣 展示会
curious 好奇心が強い 奇妙な
suctom 習慣 税関
date 日付 デートの相手
end 終わり 目的
excuse 許す 言い訳
faculty 能力 大学の教員
fairly 公平に かなり
figure 形・輪郭 人形・人間・人影 数字
fine 素敵な・よい 罰金
firm 会社 賢い
fit 適した 発作 健康な
fortune 幸運 資産
forward 前方へ 転送する
free 無料の 自由な 解放する
funny 面白くておかしい 奇妙でおかしい
general 一般的な 将軍
gift 贈り物 才能
good よい 利益
grave 重大な
hard 硬い 一生懸命に
hold 持つ 主張する 開催する
interest 興味 利益 利息
issue 問題 発行
just ちょうど 正しい
last 最後の 続く
learned 学ぶ(learnの過去分詞) 博識な
letter 手紙 文字
light 明かり 軽い
like 好き 似ている
major 主要な 専攻する 専攻科目
matter 物質 問題 重大だ
minute 微小な
natural 自然な 生まれつきの 当然の
nature 自然 性質
object 反対する 物体 対象 目的
observe 観察する 順守する
occasion 機会 パーティ
once 一回 かつて 一度~すると
order 命令 注文 順番 秩序
past 過去 ~を通り過ぎて
plain 素の・素朴な 平野
present 現在の その場にいる 贈り物 贈り物を贈る
pretty 可愛い かなり
produce 作る 提示する 農産物
production 作ること 提示すること
project 企画 投影する
property 財産 性質
public 公の 大衆
race 競争 種族・人種
respect 尊敬・尊重
rest 残り 休み
right 正しい ちょうど 権利
serious 深刻な 真面目な 重大な
short 短い 足りない
sound 音が鳴る 探りを入れる 健康な 入江
spring 生まれる
state 言う 状態 国家
stick 杖・棒 くっつく
subject 課題・科目 話題 王国の国民 実験の被験者 支配されている 影響されやすい
suit 適合する 上下揃いの服 訴訟 トランプのマーク
term 言葉 期間 関係 観点 条件
train 列車 訓練する
treat 扱う おごる
vain 虚栄心の強い 空虚な
well うまく 健康な 井戸
abstain 慎む 棄権する 禁酒する
admit 認める 入学を許可する 入院を許可する 入会を許可する 入国を許可する
advise 忠告する 通知する
arrest 逮捕する 注意を引く 阻止する
assume 想定する 推測する (任務などを)引き受ける (責任を)負う
breathe 息をする 一息いれる
bring up 育てる (話題などを)持ち出す
contract 契約する 縮める
cure 治療する (燻製などにして)保存する
dwell 住む 熟考する
fail 失敗する (体力などが)衰える
figure 計算する 思う 考える
go 行く (表現・言葉などが)表している
harvest 刈り入れる (成果を)収める
issue 発行する (政府などが)支給する
launch 発射する (事業などを)始める (新商品を)市場に出す
nurse 看護する 養育する を大切に使う 助成する
project 映写する (物が)突き出る
round up (数を)切り上げる 逮捕する
tell 話す を区別する がわかる 功を奏する

多義語の難しさの実例 gather

gather という単語の意味を聞かれて、ほとんどの人が、「集める」と答えると思います。

 

ところが、次の英文はどうでしょうか?
I gather from him this letter that he is happy.
(私は、この手紙から彼が幸せであるということがわかる)

 

特に難しい単語があるわけでもなく、関係代名詞はあるものの、英語が苦手な人でもすんなりと文の構造はわかると思います。
これを、gather を「集める」ということで訳してみると
私は、彼が幸せだという手紙から彼を集める・・・!? 
となってしまいます。
まさに、翻訳ソフトで訳したような日本語訳になってしまいます。

 

実は、gather には、わかる、知る という意味を知っていれば、きちんと理解することができます。
もっとも、gather のコアとなる意味が集めるということであり、集めた結果、知ることができた、わかった、と考えれば、理解できます。
このように、多義語として覚えるか、英語独特の発想・ニュアンスとして応用力を働かせられるかということになってくるのでしょう。