
受験勉強や資格試験、記憶しなければいけないことがたくさんありますが、いろいろな記憶法があるなかで、多くの人に高い支持を得ているのが音読記憶法です。
お坊さんが長い経を覚えているのも、ひたすらお経と向き合って、何度も音読をするからです。
音読には、音読を何回も繰り返すことで、その反復により自然と頭の中に記憶しなければいけないことが記憶されていくという効果がありますが、それ以外にも、脳の処理能力があがったり、頭の回転がよくなったり、連想力・記憶力・発想力・集中力といったものもついてきます。
それはなぜかというと、音読をすることによって、前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉という大脳の4つの領域すべての神経細胞を活性化することができるからです。
つまり、音読をすることで、音読した内容のことが頭に入りやすくなるだけではなく、頭全体が活性化されているので、音読をした後の頭の回転も良くなっていて、音読学習をした後は、よく覚えられるという現象も起きてくるのです。
よく音読のデメリットで言われているのが、やはり口に出してしゃべるので、目で見るだけよりも時間がかかります。
もちろん、紙に書き出して覚えるよりははるかに時間が少なくて済みますが、目で見て、それを認知し声に出すということは、運動を伴いますので、それだけ時間がかかってしまいます。
一方、例えば英単語などを、フラッシュカードのように0.5秒~1秒ぐらいのスピードで、どんどん瞬間的に見ては隠すということを繰り返しているうちに、いつのまにか記憶されているという形を応用した記憶法もあります。
人間の脳は忘れるというところから、忘れる前に何度も何度も反復して覚えていこうというものです。
この方法は、瞬時に目で見て記憶していく方法なので、受験や資格試験の日程が迫ったとき、すでに1回は覚えていて、すぐに思い出せなくても数回復習すればすぐに頭から出てくるようになるというレベルのものであれば、効果的です。
この方法はすごく優れた方法なのですが、音読も負けなくぐらい優れた点を持っています。
それは大脳全体、前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉すべてを活性化し、頭の回転を良くするので、記憶力のみならず、情報処理能力が上ったり、発想力もついてきますし、音読に集中するので集中力も養われます。
音読の第一段階が、対象物を目で見ることからはじまります。
この段階では、目で文字を読みますので、後頭葉にある視覚野が刺激され活性化します。
次に、目で見た文字を覚えるためには、まずは理解をします。
この理解をするときに、側頭葉にある感覚性言語野が活性化されます。
そして見たもの(見た文字)を理解した次には、それを声に出すという動作をします。
この時、前頭葉にある運動性言語野のブローカー中枢が刺激されて活性化します。
つまり、単に本を見て覚える場合と比べ、しっかりと運動性記憶になっていきます。
昔の歌が、なんとなく口をついて出てきてしまったという経験を持っている方もいるかと思いますが、これなども、別に覚えたつもりはなくて、口が覚えていたということになります。
当然、声に出して読んだものは、耳からも入ってきます。
この時に働くのが頭頂葉にある聴覚野です。
動画にて簡単にまとめました。
音読は、できるだけ速くするように心がけると良いでしょう。
音読のスピードが速いと、それだけ同じ時間に多くの事を覚えられたり、同じことを多くの回数復習・反復したりすることができます。
スピードという負荷がかかる分、脳もフル回転になり、より鍛えられます。
テープを倍速から4倍速ぐらいのスピードにして聞くという学習法もありますが、これなども再生スピードを上げることで、一つは単位時間内の学習量や反復回数を増やせるとメリットがありますが、それよりも速いスピードに脳がついてこれるようにすることで、頭の回転を速くして、その後の学習がやりやすく効率的に行えるようになります。