
記憶力が良い人は、仕事ができるのか。
これはある面、当たっていて、ある面、はずれています。
たとえばいろいろな専門知識が頭に入っているということは、きちんと仕事をするためには必須条件です。
知識に技術と経験が加わり、しっかりと仕事ができるようになっていくものです。
したがって、自分の仕事に関連した基礎知識も覚えていなかったり、勉強していないとなると論外でしょう。
また、営業面では1回ちょっと名刺交換しただけの人のことを何年も覚えていたり、その人の家族構成や性格、趣味や誕生日といったちょっと飲みながら小耳にはさんだ情報まですべて記憶していると、それだけでもかなりの武器にはなるでしょう。
人間は、自分のことを覚えていてもらえると、それだけ自分に関心をもってもらった、自分が大切にされているというように思うので、ビジネス的にもプラスに働くでしょう。
仕事ができる人を一言でと言われると、私なら「頭の回転が速い人」と答えるかもしれません。
それじゃ、頭の回転が速い人とはどのような人のことをいうのでしょうか。
私のイメージとしては、
*相手に合わせて豊富な話題を振って飽きさせない話し上手な人。
*何か仕事でトラブルが起こったとき、迅速かつ臨機応変に対応できる人。
*いろいろな人の質問や疑問に素早く、かつ的確に応えられる人。
*速いスピードで人一倍の仕事量をこなせる集中力がある人。
*集中していて仕事のミスや漏れ、抜けがほとんどない人。
*複数の仕事を効率よく同時進行してさばく能力がある人。
*次から次へとアイデアがポンポンとでてくるアイデアマン
こうやって考えると、これらのベースとなっているのが、知識と経験ということになってきそうです。
もちろん、トラブルが起こったときにパニックにならない心の強さ、EQも必要でしょう。
そして常に最高の状態の記憶力を保つためのベースとなっているのが、集中とリラックスです。
集中とリラックス、一見矛盾しているようにも思えるこの2つの事項ですが、人がものを記憶するときは、リラックスしていてかつ集中している状態が一番適していて、この状態のときに脳波は学習に適したアルファ波になっていると言われています。
すごい記憶力と人一番の集中力をもっているAさんという人物がいたとしましょう。このAさんは、すごく緊張が強いられる状況で仕事をまかされました。するとAさんは緊張のあまり頭が真っ白になってしまいます。つまりどんなに人並み外れた記憶力をもっていても、どんなに人よりも集中力があったとしても、緊張していれば、脳はうまく力を発揮することはできません。
逆に言えば、記憶力の働きを悪くするA級戦犯が緊張であると言えるでしょう。
試験のときにいつもは簡単にでてくる単語が、ふと思い出せなくなったという経験をした人がいるかもしれませんが、あれは試験会場などで緊張してしまい、あせってパニック状態になってしまい、これが俗にいうあがった状態なのでしょう。