
普段の小テストなどは良くでき、友達同士で覚えた内容をチェックしあうと、ほぼ完ぺきに覚えているのに、テスト本番になると、思ったより点数が伸びない人がいます。
なんであんなに多くのことを覚えていたのに、思ったより点数が取れないのだろうか。
こういう人の多くは、テストの本番に緊張してしまい、あがってしまい、せっかく覚えた内容がうまく思い出せなかったということが少なくありません。
そしてテスト終了のチャイムの音を聞いた後に、思い出したりします。
学生ならば、試験本番に勉強して覚えたことが、なかなか思い出せない。
これが社会人だと、プレゼンなどで説明するときや、人前でのスピーチの時に言葉につまって頭の中が真っ白になってしまったりといったことになるのでしょう。
こうしたことは、テストに対するプレッシャー、うまくプレゼンしなければというプレッシャー、しっかりスピーチせなばというプレッシャーからきています。
従って、せっかく勉強しても、プレッシャーによって本来の実力を発揮できないなんていうことになるとつまらないので、いかにプレッシャーに打ち勝つかということで、みんないろいろな工夫をします。
深呼吸や瞑想をしたり、メンタルトレーニングしたり、時にはプレッシャーがかかる状態に身を置いてプレッシャーに慣れる訓練をしたりします。
良くオリンピックなどで、アスリート達が競技前のインタビューで、「オリンピックを楽しんできます。」と言っていますが、そういったアスリート達は緊張したりしないのだろうか、プレッシャーを感じないのだろうかと疑問に思うかもしれません。
本人から本音を聞いてみないとわかりませんが、たぶん普通の人間であれば、緊張はしないまでもプレッシャーは感じているはずです。
しかし、トップクラスのアスリート達は、プレッシャーをうまく処理して、それを集中力に変えたりしています。
プロ野球ファンじゃなくてもイチローの名前を知らない人はまずいないでしょう。
イチローはチャンスにバッターボックスに立つと、ワクワクしたりするらしく、「プレッシャーのかかる感じはたまらないですね。」とまで言ってのけ、プレッシャーを勝負の世界にいる者の醍醐味だとまで言っています。
イチローは、プレッシャーをうまく利用して、それを集中力に変えているといってよいでしょう。
人間、不安だと、「ダメだったらどうしよう」ということで、いろいろと考えすぎてしまいます。
イチロー選手ですら、2009年、日本が優勝した第2回WBCの決勝戦、韓国との試合で、延長10回表に打順が回ってきたとき、いろいろと雑念が出て来たらしいのです。
ここで打ったらヒーローだな。でも打たなくてもえらいことになるな。などと、勝手に頭の中でいろいろと巡りはじめてしまったらしいのです。
このように、いろいろなことが浮かんでは消え、さらにそれを消そうと思っても消せないときは、集中もできず、いい結果が出にくいものです。
イチローは、いろいろと考えだしたら、それを消そうと思っても、消せずにもっとあせるだけという経験から、こうなったら、これを利用してしまえと考えたのです。
「さあ、この10回の表、登場してきたのはイチローです。これからいつものルーチーンをして左のバッタボックスに入ります。・・・」
客観的に自分をみつめることにすることで、内面からの自分自身を盛り上げて、浮かんでくる雑念を一蹴したのです。
もし、不安や焦りがでてきて、いろいろと浮かんでは消えという場合、深呼吸したり瞑想したりというのも良いですが、イチローのように実況中継のようにして自分を客観的にみていくのも一つの方法になるでしょう。
もちろん、試験場やプレゼン前の檀上で声に出して実況中継などできませんが、心の中で自分が自分自身を実況中継しているような形で思うようにします。
「試験に難しい問題が出たらどうしよう」、「やっていない所が出たらどうしよう」、「プレゼンに失敗したらどうしよう」といった根拠のない不安や焦りが抑えられ、出てこなくなるだけでも効果があると思いますが、さらに自分を客観的にみて中継することでこれからやろうとしていることに集中できていきます。、