暑くなってくる季節、できれば汗はかきたくないと思う人もいると思います。
しかし、汗をかくということは体温を調整するという意味でも、健康維持にとって重要な生理作用なのです。
実は汗は尿と同じぐらい出ている
汗をかかないようにといっても無理があります。
なぜならば、人間が1日にかく汗の量は、尿量に匹敵するとも言われているからです。
尿量に匹敵するというと、そんなに汗かいたら四六時中体がびしょびしょになっちゃうよと思うかもしれませんが、そうではありません。
汗というと皮膚からたらたらと水滴のように流れている汗を連想する人も多いと思いますが、こういった汗は感知性発汗と言われるものです。
さらに不感知性発汗というものがあり、アポクリン汗腺やエクリン汗腺といった汗腺から出ているのですが、途中で水蒸気となって蒸散してしまうものがあります。
さらに不感知性発汗として感染から出ている汗は全体の7割で、その他には呼気中に含まれて出ていっています。
いい汗と嫌な汗
汗をかくのは嫌だなと思っても、スポーツをした後にかいた汗は、なんかさわやかな気分になったりするものです。
実は、スポーツをしたり、暑かったりすると、体温が上昇し血液から水分とミネラルが汗腺に取り込まれ、体に必要とされるミネラルが再吸収により血液に戻ったあと、残った水分とわずかな塩分が汗となって出てきて、気化熱により体を冷やし体温を調整しています。
こうした汗は、その主成分が水分であることからも、サラサラとしてすぐ乾く汗になってきます。
しかし、汗をかいときベタベタするなと感じることもあります。
こういった汗は、ミネラル分が上手く再吸収されずにそのまま汗になっていたりするときに出る汗です。
ベタベタしているので乾きにくく、ミネラル分が多いため皮膚表面をアルカリ性にして皮膚常在菌が繁殖しやすくなるため、体臭の原因にもなってしまいます。
スポーツなどではなく、エアコンなどで汗をかかない生活をしていると、汗腺の働きがにぶり、そこに老廃物や角質がたまり、そうしたものが汗を一緒に出てきてベタベタした汗の原因にもなります。
いい汗はかくべき
汗腺の働きがにぶらないためにも、老廃物のデトックスという観点からも、適切な体温調整といった観点からも、いい汗はしっかりとかくべきです。
汗をかくと「汗くさい」からという人もいますが、汗腺のうちエクリン腺から出てくる汗はほとんど無臭です。
汗が肌にとどまって、そこで雑菌が増殖して臭うようになります。
汗をかかないようにするのではなく、しっかりと汗をかいて老廃物を体外に排出し、清潔に保つということが大切なのです。