皮膚の病態の中でも多い接触皮膚炎は、原因物質に接触することで生じる湿疹で、いわゆるかぶれになります。
接触皮膚炎の原因と特徴
接触皮膚炎は、原因物質自体によって皮膚障害が起こってくる刺激性接触皮膚炎と、Ⅳ型アレルギーによるアレルギー反応を介したアレルギー性接触皮膚炎があります。
接触皮膚炎の原因となるものは、ネックレスなどの金属製品、化粧品、植物との接触などがあげられます。
接触皮膚炎なので、湿疹が出てくる場所は、原因物質と接触した場所と一致して出てきます。
接触皮膚炎は、かゆみを伴い、紅斑や丘疹、水疱などが生じます。
接触皮膚炎が出てきた場合は、まずは原因物質との接触をやめることが重要になってきます。
原因物質としては、ネックレス、ピアス、メガネ、歯科金属といった金属製品が多く、ニッケル・クロム・コバルト・水銀・金などが原因成分となります。
特にニッケルは、金属製品のメッキによく使われていて、接触皮膚炎の原因として頻度が高くなっています。
化粧品や日用雑貨によっても、接触皮膚炎は起こり、ゴム製品や洗剤で起こることが多いのですが、シャンプーやリンス、染髪剤に含まれているパラフェニレンジアミン、保存料などが原因となっていることもあり、灯油や化粧品の成分によっても起こってきます。
植物に接触することでも、接触皮膚炎は起こり、ウルシのウルシオール、サクラソウ、イチョウ、キク、ユリなどがあり、食物でもウルシ科のマンゴーにウルシオールが含まれている他、ギンナンやシイタケが原因になることもあります。
接触皮膚炎の部位
接触皮膚炎は、発症した部位から、原因物質を推定することができます。
くちびるなど口の周りにできた場合は、食べ物やマスク、歯磨き粉、リップクリームなどが原因と考えられます。
耳にできた場合は、イヤリングやピアス、イヤホン、補聴器、メガネのフレーム、染髪剤などが原因として考えられます。
首にできた場合は、ネックレスやペンダント、シャンプーやリンス、衣類、化粧品、香水などが原因になっている可能性があります。
背中などの体感にできた場合は、衣類や石鹸、洗剤や柔軟剤、外用剤などが原因として考えられます。
手などにできた場合は、洗剤、手袋、時計などが原因と考えられます。

接触皮膚炎の検査
接触皮膚炎の原因物質の検索では、パッチテストが行われます。
原因と疑われる物質を皮膚に貼付して反応をみます。
陽性、つまり原因物質であれば、貼付したところに紅斑ができてきます。
また原因物質の濃度を変えて貼付することで、刺激性接触皮膚炎か、アレルギー性接触皮膚炎かもわかります。
刺激性ならば高濃度でのみ反応しますが、アレルギー性ならば低濃度でも反応して紅斑ができてきます。