掻いたらもっとひどくなる肌の悪循環 | 美容トピックス

痒いからといって肌を掻くと、角質細胞が?れ、外部からの物理的・化学的刺激が加わりやすくなり、いろいろな刺激物質も皮膚表面から侵入しやすくなってしまいます。

そうすることで、なおさら痒くなり、さらに掻き壊してしまうという悪循環になってしまうのです。

なぜ掻き壊すとより痒みがひどくなるのか

掻き壊した後は、当然肌表面の角質細胞が剥がれたり傷ついたりということで、いろいろな刺激物質が皮膚表面から侵入しやすくなってきていて、これが表皮のケラチノサイトなどを刺激します。

カリクレインといったセリンプロテアーゼがプロテアーゼ受容体と結合することにより、カルシウム放出活性化チャンネルが開き、カルシウムが流入し、その刺激をうけてケラチノサイトの核でTSPつまり胸腺間質性リンパ球新生因子が産生され、放出され、これが皮膚の所まできている感覚神経のC繊維の受容体と結合することで、イオンチェンネルであるTRPチャンネルが開き、さらにはNav1.7チャンネルが開き、活動電位が発生して、痒みがシグナルとして送られ、痒みを感じます。

さらに、バリア破壊によって皮膚表面から侵入してきた刺激物質や、衣類などの機械的刺激が加わると、神経が刺激されるのと同時に、神経終末からサブスタンスPなどの神経ペプチドが遊離されます。

すると炎症を惹起されて痒みが生じ、さらに遊離したサブスタンスPや大気汚染物質が、皮膚線維芽細胞の芳香族炭化水素受容体に結合し、アーテミンという物質の遊離を促進します。

このアーテミンは、表皮内の神経線維を伸ばす作用があり、それゆえに皮膚の温度感受性が増加し、痒み過敏性が増してしまいます。

ドライスキンと痒み

皮膚の乾燥、ドライスキンによって、角質バリア障害が起こり、角質が水分保持をできなくなったことによって、外部からの物理的・化学的刺激を受けやすくなり、これに神経線維が容易に反応しやすくなるため、痒みがよりひどくなっていきます。

掻き壊しによる皮膚バリア破壊によりケラチノサイトが容易に抗原に曝露されて、TSLPなどサイトカイン等により、炎症が惹起され、ヘルパーT細胞が活性化されることによって、IL-31やIL-4,IL-13が遊離して、これが神経線維を刺激してしまいます。

これを防ぐためにも、保湿が非常に重要になってくるのです。

ドライスキンの痒み対策

ドライスキンで痒い場合は、ヒスタミンが主原因ではないので、抗ヒスタミン薬を塗ってもあまり効果が期待できません。

やはり肌を守るという意味で、まずは保湿をしっかり行うことが大切です。

ドライスキンの場合は、保湿剤を連日きちんと塗ることが有用です。

また極力、肌に不必要な刺激を与えないことも重要になってきます。

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