1日に果物だけしか食べないという間違ったフルーツダイエットをしている人もいるようですが、果物だけしか食べないというような偏った食生活をしていると、かえって細胞の老化につながってしまう可能性もあるのです。
果物とフルクトース
果物には、その名前からも想像がつくように果糖(フルクトース)が多く含まれています。
フルクトースはグルコースなどと同じ単糖類ですが、これが細胞の老化に関係が深いAGE(糖化最終産物)を作り出してしまいます。
果物を多く食べると、大量のフルクトースが摂取されます。
フルクト―スは、低用量であれば小腸で代謝されてしまいますが、高用量になってくると、小腸での代謝のキャパオーバーとなり、小腸で代謝できなかったフルクトースは肝臓に運ばれ、そこで代謝されていきます。
肝臓に運ばれたフルクトースは、フルクトキナーゼという酵素によってフルクトース-1-リン酸になります。
しかしこの過程で尿酸の生成を助けてしまいます。
さらにフルクトース-1-リン酸は、グリセルアルデヒドを経て、グリセルアルデヒド-3-リン酸になり、脂質生成を高めてしまいます。
こうしたことから、フルクトースの過剰摂取は、尿酸値を上げたり、脂質異常につながると考えられています。
AGEとフルクトース
老化の原因物質とも言われるAGE(糖化最終産物)は、グルコースやフルクトースといった還元糖が糖化しメイラード反応が起こることで生成してきます。
特にフルクトースは、開環構造での存在が大きいため、グルコースよりも迅速にメイラード反応が起こるため、グルコースの8~10倍もAGEを生成すると言われています。
つまり、グルコース(ブドウ糖)よりも、AGEを多く作ってしまいます。
フルクトースより生成したAGEは、皮膚コラーゲンの架橋を作ります。
AGEに架橋したコラーゲンは、変性し、新しいコラーゲン繊維ができてくるのを妨害し、古くAGEによって架橋したコラーゲンが増えてくることにより、弾力やしなやかさを失ってきてしまいます。
それにより、肌のハリや弾力がなくなり、しなやかさが低下してきてしまい肌老化が起こってしまいます。
間違ったフルーツダイエットはダメ
果物には、果糖の他に、ビタミンC、ビタミンB群、食物繊維、ビタミンA、ビタミンEなど優れた栄養成分がたっぷり入っています。
しかし一方で、果糖などの糖質を含み高カロリーなので、食べ過ぎには注意する必要があるのです。
フルーツダイエットにおいても、1日にフルーツ摂取目安量を1日200gなどと決めて、取りすぎに注意する必要があります。
フルーツダイエットは、普段の食事をフルーツに置き換えてしまうのではなく、普段の食事にフルーツを適度に取り入れる方法なのです。
1日200gで、フルーツダイエットで痩せて綺麗になりたいと、フルーツだけしか食べないというようなことをやっていると、かえって肌老化を進行させてしまうことにもなりかねません。
食事はバランスよくというのが基本なのです。