50~70代の女性に多くみられる2つの顔のけいれん、眼瞼けいれんと片側顔面(へんそくがんめん)けいれんについて簡単に説明していきます。
眼瞼けいれん
『眼瞼けいれん』とは、自分の意志とは全く関係なく、勝手に両目の周りの筋肉がけいれんして、目が開けにくくなってしまう病気です。
50~70代の女性に多いとされていて、男性の約2倍と言われています。
まれに20代でも起こることがあります。
次のような症状が複数あれば要注意です。
光がまぶしい、まばたきの回数が多くなる、片目をつぶってしまう、口元がピクピクする、まぶたがピクピクする、目が乾いてショボショボする、。目を開けているのがつらい、目や目の周囲に違和感や異物感がある、以前のように自然なまばたきができない、意志とは関係なく目をつぶってしまう。
特に、光がまぶしい、目を開けていられない(つぶってるほうが楽)という症状が出る人が多くなっています。
目が開けづらい、ドライアイの治療を受けているけどよくならないという人は、一度専門医に相談してみることをオススメします。
原因は目やまぶたではなく、脳内から正しい指令が伝わらないことによって、目の開閉がうまくいかなくなってしまいます。
片側顔面けいれん
『片側顔面けいれん』とは、自分の意志とは全く関係なく、勝手に顔の片側の筋肉がピクピクしてしまう病気です。
50~70代の女性に多いとされていて、患者の約7割が女性と言われています。
次のような症状が複数あれば要注意です。
まばたきの回数が多くなった、片目をつぶってしまう、口元が片側のみピクピクする、まぶたが片側だけピクピクする、片側の目だけ開けているのがつらい、目や目の周囲に違和感や異物感がある、顔がひきつったりこわばったりしてゆがんでしまう。目の下側がピクピクしたり目が閉じてしまったりする。
高血圧や脂質異常症があると起こるリスクが高くなることがわかってきています。
顔面神経が何らかの原因で近くにある血管に刺激され、自分の意志に関係なく勝手に、目のまわりや口などの筋肉が動いてしまいます。
眼瞼けいれん・片側顔面けいれんの治療法
眼瞼けいれん・片側顔面けいれんの治療法ですが、保険が適用されよく行われている治療法の1つがボツリヌス療法です。
これは、けいれんしているところの筋肉にボツリヌストキシンを注射することで、神経の働きを抑えて筋肉の緊張を和らげていくものです。
その他、筋弛緩薬や抗てんかん薬、抗不安薬などの内服薬が処方されることもあります。
外科的手術となると、眼瞼けいれんの場合は、まぶたが開きやすくなるように、まぶたの筋肉や皮膚を短くする手術が行われたりします。
片側顔面けいれんの場合は、耳の後ろの神の生え際付近を小さくカットして、顔面神経とその神経を圧迫している血管を話していく手術などが考えられます。