SPF値は、いわゆる日焼けで肌が赤くなるサンバーンまでの時間を何倍に延ばすかということを測定しているものです。
また、PA値は、即時型黒化までの時間をどのぐらい延ばすかを測定しているものです。
とにかくSPF値とPA値が大きい化粧品を買えば問題ないと思っている人もいるようですが、そうではありません。
日焼け止めでシミやシワをどのくらい防げるのか
日焼け止めでシミができるまでの時間は、何分まで延ばすことができるのでしょうか。
実は、日焼け止めでどのくらいシミやシワができるのを防げるのかはわからないというのが現状です。
えっ!? SPF値って、サンバーンまでの時間を何倍に伸ばすかということじゃないの?
だからSPF値が2倍のものにすれば、サンバーンまでの時間を2倍に伸ばすことができるんじゃなかったの?
と思うかもしれませんが、そんな単純なものではありません。
よく考えてみてください。
シミやシワは、昨日今日でできるものではありません。
何年もかけてできてくるもので、個人差も大きいのです。
したがって、日焼け止めがそれをどのくらい防いだのかなんて測定できないのです。
真夏の日差しでたった2分
日本人は、平均的に真夏の日差しの下では、15~20分ほどでサンバーンを起こし肌が赤くなるといわれています。
ところがシミやシワについてはどうかというと、日に当たってから2分後には、コラーゲンを破壊する酵素の遺伝子が誘導されるという研究報告があります。
つまり、肌老化は2分後から始まっていることになります。
となると、そもそも2分後から始まる肌老化を2倍に伸ばしたところで、4分ですので、百歩譲ってSPF値が2倍のもので肌老化までの時間が2倍になったとしても、意味がないのです。
つまりサンバーンを起こすよりもずっと早く肌老化が起こりはじめていることになります。
だからこそ、特に紫外線が強い季節や場所では、油断せずにしっかりとした紫外線対策が必要となってくるのです。
SPF20は、肌老化までの時間を20倍にするのか
日に当たってから2分後に、肌老化が始まるのであれば、そこにSPF20の日焼け止めを塗れば、肌老化が始まるまでの時間を20倍、つまり2分の20倍で40分にすることができるのかといえば、実際のところそれに関するデータはありません。
シミやシワということに関していえば、SPFの数値に頼るというよりも極力浴びないという考え方が大切と言えるでしょう。