睡眠薬の副作用でふらふら・フワフワするのはどうして? | 健康トピックス

健康保険組合の加入者19.1万人のデータ解析から、年齢別の睡眠薬の処方率をみると、40~44歳で4.6%、45~49歳で5.2%、50~54歳で6.3%、65~69歳で9.4%の人が睡眠薬を処方されているという結果になっています。

夜なかなか眠れないということで処方されるのが睡眠薬ですが、睡眠薬を飲むとふらふらする・フワフワするといっためまいの症状を訴える人もいます。

このようなめまいが原因で転倒・骨折にもつながりかねませんが、特に高齢者は要注意です。
どうしてこのようなめまいが起きてくるのでしょうか。

睡眠薬で起こるめまいってどんなめまいなのか

めまいは、回転性浮動性の2つに分けることができます。
回転性の場合は、クルクル回る・ぐるぐる回るといった感じがします。
浮動性の場合は、ふらふらする・フワフワするといった感じがします。

睡眠薬などによる副作用として起こってくるのは、後者の浮動性のめまいになります。
ふらふらする・フワフワするといった浮動性のめまいは、中枢神経の抑制が原因で起こってきています。
睡眠薬や抗不安薬は中枢神経を抑制する作用があるので、これが強く出すぎると、この中枢神経の抑制が原因によって起こってくる浮動性のめまい、つまりふらふらする・フワフワするといった症状がでてくるのです。

睡眠薬でフラフラしてしまうメカニズムとは

睡眠薬や抗不安薬よって起こるめまいはどうして起こるのか、そのメカニズムを考えるとき、『分極』という言葉がキーワードになります。
私たちの体の細胞は帯電をしています。
細胞の外側は+(プラス)に、細胞の内側は-(マイナス)に帯電していて、+(プラス)と-(マイナス)に分かれていることから、このことを『分極』といいます。

細胞外には、ナトリウムイオンやカルシウムイオンといった陽イオンが存在していますが、これらの陽イオンが、細胞外と細胞内の境界にある検問所にあたるナトリウムチャンナルやカルシウムイオンチャンネルを通って細胞外から細胞内に入ってくると、陽イオンの+が細胞内に入ってくることになるので、細胞内の-と相殺して、細胞の内側が-に帯電している状態から脱します。つまり分極状態を脱するということから、この状態は『脱分極』と呼ばれます。この『脱分極』の状態は、『興奮している状態』になります。

一方、細胞外に存在している塩化物イオンなどの陰イオンが、イオンチャンネルを通して細胞外から細胞内に入ってきた場合、陰イオンの-が細胞内に入ってくることになるので、細胞内の-がさらに-になる状態になり分極が過ぎる状態になり、この状態は『過分極』と呼ばれます。この『過分極』の状態は、『抑制している状態』になります。

睡眠薬や抗不安薬と分極

薬などでナトリウムチャンナルやカルシウムチャンネルがブロックされると、細胞外のナトリウムイオンやカルシウムイオンが細胞内に入ってこれなくなり、脱分極できなくなるので、興奮ができなくなります。それが原因で、ふらふら・フワフワとした感じのめまいが起こってきます。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

睡眠薬や抗不安薬として用いられるベンゾジアゼピン系の薬は、脳内にある抑制系の受容体であるGABAという受容体に結合することで、脳を抑制して眠気を誘います。ベンゾジアゼピン系の薬がGABA受容体に結合することで、GABA受容体が活性化して、-に帯電した塩化物イオンが細胞外から細胞内に入ってきて『過分極』が起こり、抑制的に働きます。それにより眠気が増してくるのですが、それと同時に、ふらふら・フワフワするといった状態が起こりやすくなるのです。