化粧品は肌を美しく整えるために使うものですが、使い方を間違えると健康な肌でも赤くかぶれたり、ほてったり、かゆくなったり、ぶつぶつ発疹がでてきてしまったりと肌トラブルの原因になってしまいます。
適切に使わなかったために出る化粧品の肌トラブル
洗い流すタイプの洗浄用化粧品でも肌トラブルが起こったりします。
洗い流してしまっているのになぜ?と思われるかもしれまぜんが、洗浄力の強い化粧石鹸などで洗顔したとき、すすぎが不十分だったら、石鹸成分が顔の肌に残ってしまいます。
同じように、髪を洗うとき、すすぎが不十分で頭皮に残ったシャンプーやリンスの成分により、かぶれを引き起こしてしまうことがあります。
肌に合わない場合は使用をやめるのが化粧品の大原則
化粧品の容器には、「お肌に合わない場合は、使用をおやめください」といったような注意書きが記載されています。
使用して肌に影響が出た場合、肌トラブルが重症化する前に使用をやめることがとても重要です。
かぶれがある場合は、原因をつきとめてその原因のものを避けることが大切です。
もし思い当たる化粧品があればその化粧品の使用を中止して、皮膚科専門医に診断してもらうようにします。
茶のしずく石けんによる事件とは
茶のしずく石けんは、化粧石鹸として2005年ごろから発咳されていて、2008年はモンドセレクションで金賞も受賞したものでした。
しかし、茶のしずく石けんを使用した人から、湿疹やかぶれ、小麦アレルギーを発症するという報告が多数寄せられるようになりました。
茶のしずく石けんの使用者が、小麦が含まれたものを食べてから運動をすると眼瞼浮腫や顔面浮腫などの症状がでて、アナフィラキシーを発症することがわかったのです。
これは食物依存性運動誘発性アレルギーといわれるものです。
加水分解コムギという小麦由来のタンパク質が重量比にして 0.3%含有していて、それを毎日のように洗顔して使っていたため、“加水分解コムギ”が少しずつですが目の粘膜、鼻の粘膜、顔の皮膚に付着し、体に侵入していき、そのうち体がこの成分は危険なものと判断して”加水分解コムギ”に対してアレルギーになってしまったのです。
やがて成分である加水分解コムギ末を配合した石鹸のアレルギー症状について、学会でも発表されるようになり、2009年には厚生労働省も加水分解コムギ末を配合したを含有する医薬部外品・化粧品による全身性のアレルギー発症について注意喚起を行いました。
しかし、それにもかかわらず、回収が遅れ、2011年までに回収されなかったことから被害が拡大していきました。
加水分解コムギ末がいけなかったのか
茶のしずく石けんに含まれている加水分解コムギは、使用感を増したり泡立ちをよくするといった目的で化粧品に多く用いられています。
茶のしずく石けんの回収において、成分に加水分解コムギ末が使われていたのですが、加水分解コムギ末自体でアレルギーを誘発したという報告は確認出来ていません。
しかし、茶のしずく石けんのアレルギー原因とされたものは、小麦の加水分解物の中でも、 グルパール19Sという他では使われていないものが使われていて、これがもともとアレルギーのない人にもアレルギーを引き起こしたというのが日本アレルギー学会の見解になっています。
他の市販の化粧品にも「加水分解コムギ」が原料として使われていたりしますが、グルパール19Sではないものであれば、特に被害は報告されていません。