『オーガニック』という言葉を聞いて、どんなイメージをもつでしょうか。
化学肥料や農薬を使わない、自然の土で作られたという印象があると思います。
自然にやさしいとか、生き物にやさしいとか、地球の温暖化に有益、健康にも良さそうというイメージをもつ人もいるかもしれません。
オーガニックとは
『オーガニック』は、元来、農薬や化学肥料を使わずに野菜を育てる『有機農法』のことを指します。
オーガニック(organic)を辞書で調べると、「有機の」という意味が出てきます。つまり「炭素を含むもの」ということになります。
生物だけが作り出せる炭素の化合物ということで、農業における「有機」は、主に肥料に使われる堆肥になります。
こうした堆肥などを用いた栽培方法に対して「オーガニック」という言葉が使われてきました。
今では、「オーガニック」というと、純粋に有機肥料を用いた栽培方法というほか、化学肥料や殺虫剤などの合成された農薬を使わない栽培方法という意味も含むようになっています。
日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会のホームページ(http://www.jona-japan.org/about/)を調べると、オーガニックの原則として国際的な規模で有機農業推進活動を行っているIFOAM( 国際有機農業運動連盟) は、「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。
どちらかというと、『オーガニック』は、オーガニックコスメよりも、食材に対して使われることが多い言葉です。
オーガニックコスメ
オーガニックコスメとなると、有機栽培した植物から取れる成分のみを使った化粧品という定義がヨーロッパではなされていて、これに関して認定機関もあります。
しかし、気をつけなければいけないのは、日本では『オーガニックコスメ』の定義もなければ、もちろん認定機関もありません。
もちろん、広告や表示でウソはいけませんので、全くオーガニックな成分が入っていないとうのはまずいですが、例えば植物エキスをわずか1種類入れ、その植物が有機栽培されていたならば、『オーガニックコスメ』を名乗っちゃっているものもあります。
有機栽培した植物から取れる成分のみを使った化粧品というヨーロッパとの定義とは全く違っています。
『オーガニックコスメ』という場合は、しっかりと成分表示を確認してもいいかもしれません。
オーガニックコスメの注意点
オーガニックコスメだから化粧品が原因の肌トラブルが起こらないわけではないということはありません。
どんなに農薬を使っていなくても、有機栽培していても、植物には毒性をもつものも結構あります。
植物も害虫などの敵から身を守らないといけないので、刺激やアレルギーを引き起こす可能性がある成分が含まれていたりします。
オーガニックコスメに含まれている植物エキスや精油の中には、かえって刺激になったりしてしまう成分も含まれています。
特に精油は、芳香成分を抽出しているので、その成分だけ凝縮されて配合されたりするケースもありますので、オーガニックコスメだから安心というのではなく、刺激やアレルギーが起こることもあるということを頭に入れておく必要があります。