歳をとってから同窓会で集まると、同じ年なのに若々しい人もいれば、いやに老けてみえる人もいます。
これは年齢を重ねるほど顕著になってきます。
なぜ、同じ人間なのに、同じ日本人なのに、こんなに老化の度合いが違ってくるのでしょうか。
老化・老け顔に影響を及ぼすいろいろな因子
老化・老け顔に関しては、いろいろな因子が関係しています。
まずは、『長寿遺伝子』ですが、長寿遺伝子が働いている人は、見た目も若々しく健康なことがわかっています。
では長寿遺伝子が働いている人とはどんな人なのかというと、普段よく運動をしていて、食事もきちんと規則正しく摂っています。
こうした日常の節制が、長寿遺伝子を活発にさせています。
長寿遺伝子の他に、老化スピードをコントロールするものに、『テロメア』があります。
『テロメア』は染色体の末端にある末端小粒で、いわば寿命の回数券と呼ばれたりします。
デンマークでの研究では、見た目が老けている人は、寿命も短いという報告があります。
若く見える人はテロメアが長く、老けて見える人はテロメアが短かったという分析結果もでています。
さらに、もっと老化に直接的に影響を与えているとされているのが、活性酸素です。
最近、白髪が増えてきたとか、物忘れが多くなってきたとか、シミやシワが増えてきたというような年齢の変化は、活性酸素と関連した酸化が大きく関連しています。
抗酸化の大切さ
私たち人間は、1日に500L以上の酸素を体に取り込んでいます。
この酸素によって、食べた栄養素を燃やしてエネルギーに変え、生活しているのですが、取り入れた酸素の約2%が、強い酸化作用をもつ活性酸素に変わると言われています。
活性酸素というと、悪者のように言われますが、体に侵入してきた細菌やウイルスをやっつけるという大切な働きもあります。
問題は、活性酸素が必要以上に増えてしまうことで、健康な細胞まで酸化して、老化を引き起こしてしまうことです。
食べものも、バランスよく食べて、抗酸化作用が強い抗酸化ビタミンが入った野菜などもしっかり摂ることが重要なのです。
長寿は遺伝といってあきらめるべからず
長寿や老化と深く関係した因子として、長寿遺伝子やテロメアの話しをすると、「それみろ、遺伝子の問題だったらもともと決まっているんだ」と思う人もいると思いますが、実はそうでもないのです。
老化の研究をしているデンマークのクリステンセン教授によると、人間の寿命は遺伝的要因で決まることはほとんどなく、なんと寿命の75%は、生まれてからの環境や生活様式によって決まるということがわかっているとのことです。
つまり、両親が長生きだったからと油断して不摂生な生活を長年続けていると、長生きできません。
この逆もしかりです。
では、長生きと関係が深い環境要因にはどんなものがあるかというと、大気汚染といったものもありますが、禁煙・お酒を控える・バランスのよい食生活などがあります。
つまり、自分の努力で、かなりの部分を改善できるのです。
健康も美しさも、日々の努力や節制から生まれるものなのです。