何を隠そう、美容面で重要なだけでなく、強力なバリア機能を持つ角層 | 美容トピックス

美容面で重要な角層は、外部から見える部分で、体のバリアとしても重要な役割を果たしています。

角層のバリア機能

『角層』は、表皮の最下層にある基底層で作られ、表皮角化細胞として分裂しながら、皮膚の表面の方へ押し上げられていきます。

その過程で、核を持った基底細胞から約1カ月で核を持たない扁平な角層細胞になっていき、それによって角層が形成されます。

皮膚の表面にある『角層』は、表皮組織の1/10ほどの厚さしかありませんが、強力なバリア機能を持っています。

バリア機能は、外部環境から体を守るための壁のようなもので、外部の細菌やウイルス、花粉、ホコリ、PM2.5などの大気汚染物質などの異物の侵入を皮膚の角層で跳ね返しています。

それと同時に体からの水分蒸発も防ぎ、肌を乾燥させないような働きがあります。

どのぐらい角層が強力なバリアになっているかというと、細菌やウイルス、外来抗原、真菌をブロックする防衛力の9割は、角層によるものだとも言われています。

バリア機能を果たす角層は、核がなく細胞としてはすでに死んでいる細胞ですが、その状態で約2週間ほど表皮にとどまり皮膚の物理的バリアとして大活躍し、役目を果たしたら、垢となって剥がれ落ちていきます。

人間は、この皮膚のいわば死んだ角化細胞が積み重なった角層により、有害物質や病原体などから体を守っています。

意外とみずみずしい角層

角層の細胞は、いわば死んだ細胞なので、細胞に必要な代謝反応は行われていない、硬い蛋白質になっているため、異物や病原体の物理的な壁となって侵入を防ぐことができます。

角層細胞は、美容面でそれが肌として機能していて、死んだ細胞といっても、決してミイラのように干からびたようなものではなく、天然保湿因子(NMF)を含み、水分豊富なみずみずしいものになっています。

なんで、死んだ細胞なのにみずみずしさを維持できるのかというと、皮膚角化細胞はフィラグリンと呼ばれる蛋白質の分解産物であるアミノ酸を産生していて、これが多数の水分子と結合して角層内の水分が保持できるのです。

セラミドと角層

肌の水分保持にはセラミドが大事というようなことを聞いたことがあるかもしれません。

セラミドは、角層の角層細胞間脂質の主成分で、これは角層細胞が壁のレンガだとすると、その隙間を埋めるモルタルのような役割を果たしています。

セラミドは脂質ですが、普通の脂質とは少し違い、親水基を持っているため水となじみやすく、脂質と水を含んだ層が、ちょうどミルフィーユのように交互に積み重なり、水分をたっぷり含むことができるようになっています。

実際、動物実験などでも、セラミドが失われると、角層バリア機能が低下することが明らかにされています。

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