化粧品、「肌の奥まで」に要注意! 懸命のパッティングは無意味 | 美容トピックス

化粧品のCM・広告をみていると、「肌の奥まで浸透」といったコピーを見かけます。
しかし、これは正しい表現ではありません。下手をすると薬事法(現在では医薬品医療機器等法)に抵触する恐れがあるコピーです。
肌とは、表面というニュアンスがありますが、解剖生理学的には、皮膚組織とイコールと考えてよいでしょう。

肌=皮膚

は辞書などを引いても、「肉体の表面。皮膚。」となっています。

大手化粧品メーカーのホームページなどを見ても、『肌=皮膚』という形で説明されています。

皮膚は、大きくわけると表皮と真皮に分かれ、その奥に皮下組織があります。

そして表皮は、さらに一番表面に近い部分から、角質層、顆粒層、有棘層、基底層に分かれています。

化粧品の浸透・スキンケアは角質層のこと

スキンケアでお肌のお手入れということがよく言われますが、お肌となると、皮膚や表皮を指すことになります。
しかし、実際にスキンケアでお手入れしている部分は表面、つまり表皮の中でも角質層の部分になります。

化粧品は肌の表面(角質層)までしか浸透しない

「美容成分がどんどん浸透していきます」などというコピーをよく見ると、小さな文字で「浸透は角質層まで」などのように注釈が入っていたりする場合もあります。

医薬品の貼り薬だと有効成分がどんどん浸透していって、表皮から真皮、さらには皮下組織にまで浸透していって、例えば痛み止めの鎮痛パップであれば、痛みが緩和されます。
そして実際に血中濃度を測定すると、有効成分である鎮痛成分の濃度が上昇してきます。

しかし、化粧品の場合は目的が体の表面をきれいにするものであり、基本、体の一番外側の部分である角質層までしか浸透しないようにできています。
逆に表皮から真皮、皮下組織に浸透していってしまうと、副作用がでてくる恐れもでてきます。

化粧品が角質層までしか浸透しないのはなぜ

まず角質層ですが、この角質層は非常に薄いもので、厚さからいうと0.02mmといった感じで、体の部位にもよりますが、だいたいはちょうどラップぐらいの薄さと考えてよいでしょう。

その角質層は、角質細胞とその細胞と細胞の間にある角質細胞間脂質からできていて、角質細胞間脂質は主にセラミドから形成されています。この角質細胞間脂質の働きにより、体内からの水分の蒸発や病原体や異物の侵入が防がれて『皮膚バリア』になっています。

化粧品の成分も、この皮膚バリア跳ね返されて、角質層より奥には入っていけません。

では医薬品はなぜ角質層より奥に入っていけるのかというと、皮膚よりさらに奥の皮下組織に浸透させるために、そういった成分や技術を使っているからです。

角質層の表面だけじゃ効果がないんじゃない?

ラップほどの厚さの角質層だけにしか浸透しないんだったら、スキンケア化粧品って役に立つのかということになりますが、肌バリアを守るために、角質層にあるセラミドを補充したり、水分を補充したり、角質層の酸化を防ぐといったことが美肌を作っていくことにつながるので、意味があることになります。

ただ、化粧品の中で、角質層よりも奥に浸透し、そこで作用して効果を発揮するというようなコピーがあったとすれば、それはウソですし、薬事法違反にもなります。
もし本当に、角質層よりも奥に浸透し何らかの効果を発揮するというのであれば、それはもはや化粧品ではなく医薬品などになってしまいます。

化粧品を浸透させようと、一生懸命パッティングしても無意味

化粧品は肌の奥まで浸透させようと一生懸命、化粧水がしみ込んでいくように肌をパチパチとパッティングしていたりしてもそれは無意味なことです。
そんなことをしても、肌バリアによって化粧品の成分は肌の角質層より奥へは入っていくことができません。

例えば、化粧品でシワを改善する成分が肌の奥で作用して・・・といったコピーは、全くのウソです。
それに、もしそういったコピーがあれば薬事法上問題があります。

シワの改善には、表皮の下の真皮層などに働きかけなければ意味がないのは本当ですが、そこまで化粧品の成分は届かないのです。