今でこそハイヒールは女性のオシャレアイテムの1つになっています。
ハイヒールは、どうしても前のめりになり、体の姿勢を崩しやすく、正しい体の姿勢からするとどうしても無理がかかってしまいます。
それなのに女性がハイヒールを履くというのは、現代ではオシャレ、ファッションのためと言われていますが、実はハイヒールが登場したときには、まったく別の意味合いがあったのです。
ファッションとしてのハイヒール
ハイヒール(high heels)は、履くとかかと部分が爪先よりも7cm以上持ち上げられる靴で、「高いかかと」という意味を持っています。
かかとが細く尖っているものはピンヒールやスティレットヒールと呼ばれたり、サンダルに近い形状でつま先やかかとが露出するようなものはハイヒールサンダルなど言われています。
厚底靴のようなかかととつま先の両方が共に高くなっているプラットフォームシューズなどというものまででてきていて、ファッションの幅も拡がってきています。
かかとが持ち上がられていることから、背が低い女性は、背を高く見せることができ、スラっとした体型に見せることができます。
一方で、足首を捻挫しやすかったり、姿勢のゆがみや外反母趾の原因、さらにはむくみや肩こりの原因にもなるということで、最近ではハイヒールを嫌い、安定していて動きやすい底が低い靴を好む女性も増えてきています。
ハイヒールの元のチョピン
ハイヒールの元は、紀元前400年代に、アテネで背を高く見せるために遊女の間で流行していて、男性も履いていたそうです。
さらに、15世紀からイタリアやスペインでチョピンというファッション用オーバーシューズが貴族の女性などで流行しました。
このチョピンはイスラム風の厚底の靴で、最大で50㎝を超える厚底のものもありました。
1600年代になると、ファッションの国フランスを中心に欧州で、チョピンを元にしたハイヒールが開発されていきました。
当初のハイヒールはファッション目的ではなかった
1600年代、フランスを中心とした欧州で開発されたハイヒールの目的は、ファッションではなかったのです。
このころの欧州は、人口が密集しだして、街中に汚れが目立つようになります。
その中でもトイレ問題は深刻で、その当時は水洗トイレなんていうものはありませんでしたので、汚物が路上にまで溢れだしてしまったりすることもあったようです。
そんな中、少しでも路面に接する面積を少なくしようということで、かかとにヒールをつけたハイヒールが開発されていったというわけです。
歴史や開発された背景をたどっていき、開発の経緯をみていくと意外なことがわかったりするものです。