まず誤解されると困るので先に言いますが、運動しても意味がないということではありません。
運動は体に良いことですし、痩せるということに対して全く効果がないというわけではありません。
ただ、運動するとどんどん痩せられるというような過度な期待はしない方がいいのです。
誤解されやすい消費したエネルギーと摂取したエネルギーの差で痩せる
ダイエットの倫理は、単純な引き算だ。理屈から考えてって、摂取したエネルギーと消費したエネルギーの差で太ったり痩せたりするという考えです。
そして、ここで勘違いされやすいのが、摂取したエネルギーは食事とかで食べたエネルギーだろうし、消費したエネルギーなんだから、運動して使ったエネルギーと思ってしまう点です。
例えば、マラソンのように激しい運動を続ければ、それだけ運動をするのだから、エネルギーが消費され、どんどん痩せていくと思われがちです。
しかし、消費されるエネルギー、つまり総エネルギー消費量は、運動によるエネルギーだけではありません、
総エネルギー消費量には、運動エネルギーの他に、基礎代謝量、さらには非運動性熱産生、運動後過剰酸素消費量、食事による熱発生なども関与しています。
意外と少ない運動によるカロリー消費
実をいうと、カロリー消費の95%は基礎代謝で使われるのです。
軽い運動をしている平均的な男性ということで考えると、1日あたりの総エネルギー消費量は2500kcalになります。
毎日、ゆっくりと45分ウォーキングして消費されるエネルギーはというと、104kcalです。
つまり、45分歩いたのに、総エネルギー消費量の5%ほどしか消費していないということになります。
さすがに、ジョギング1時間というような量をこなせば、これよりも多少は比率が高くなるでしょうが、それでも思われているほど運動ではエネルギー消費できていないのです。
肥満の原因の95%は食事とも言われています。
健康のために運動はいいことですし、メリットもいっぱいありますが、体重を落とす、ダイエットということでは、それほど効果は期待できないということになります。
もちろん、筋トレをうることで、筋肉量が増え、それに伴い基礎代謝量は上がっていくという効果はあります。
エアロビクスでどのくらい痩せたのか
2007年に、ランダム化比較試験が行われ、1年にわたり週6日、エアロビクスをやった人の体重は、女性で平均で約1.4kg、男性で平均1.8kg減少しています。
食生活の背景とか、いろいろ考慮しなければならない点もあるかもしれませんし、1年で2kg弱をどうみるかですが、思ったほど体重は減っていないような感じです。
健康のため、筋肉をつけて基礎代謝を上げるという点では、運動は非常にいいことですが、ダイエットということで考えるのであれば、食事に気をつけず食べた分だけ運動すればいいやというのはヤメたほうが良いでしょう。