NHKの『チコちゃんに叱られる!』という番組でも、チコちゃんから「お風呂で手足がふやけるのはなぜ?」という質問がありました。
ゲストの方が回答し、「指紋を隠すため」というような珍回答をして、そんな犯罪的な要素はないということでチコちゃんに叱られていました。
風呂で手足がふやける理由、チコちゃんの答えは?
さて、肝心のチコちゃんの答えですが、『水辺で発動する自動滑り止め機能』ということでした。
横浜市立大学循環制御医学の石川義弘教授の解説によると、手足がふやけるのは人類の進化との関係があると言います。
人間はご存じのとおり、海から進化した生物ですが、まずは陸上の乾燥した環境でも体の水分が蒸発していってしまわないようにということで、角質で全身を覆うようになりました。
しかし、角質は、雨が降ったり、霧が出て濡れてくると、ツルツルに滑ってしまいます。
そこで、水分を手足の角質が吸い取ってふやけて、滑りづらくする機能を備えるようになったのだそうです。
なぜ手足だけふやけるの?
手足も、他の体の部分も角質に覆われていることには変わりありません。
なのにどうして、手足だけがふやけるのでしょうか。
それは、手足の角質層は他の部分よりも厚くなっているからで、厚くなっているために、より多くの水分を含むことができるようになっています。
それなのでふやけが目立つのです。
手足の角質は他の部分に比べるとおおよそ10倍の厚さになっています。
そこで多くの水分が吸収されるので、角質の体積が増えてきてシワシワになるのです。
人間はもっとも手を多く使いますが、そのため手を保護するということで角質が厚くなり進化したのではとも言われています。
この手がふやけるという現象は、手足に神経が通っていないと起こらないということも最近の研究によって明らかになってきています。
注意が必要な手足のふやけ
通常は、風呂に長く入っているなどすると、手足の指がシワシワにふやけてきますが、20分もすればそれは消えていってしまいます。
しかし、それを繰り返しているうちに、手の皮がむけてきてしまうことがあります。これは痛みや痒みを伴う場合も多くあります。
こうしたケースでは、AMP(aquagenic wrinkling of the palms)の可能性があります。
足より手に多く症状が現れ、若い女性や多汗症の人に多く現れやすくなっています。
医療機関を受診すると、両手を水に浸すことで、手の症状を再現させるテストなどにより、AMPであるかが診断され、治療が行われます。